野党同士のねじれ国会-野党共闘1


■維新とみんなの連携

 日本維新の党とみんなの党の連携に関する報道が、ほぼ連日行われています。連携というのは、夏の参議院選挙に向けてのものです。

 維新もみんなも「自公両党による過半数獲得阻止」を目標に掲げています。自公の議席の上積みを防ぐには、反・自公票を結集することが必要です。反・自公票が自公支持票よりも多かったとしても、分散してしまったら勝てません。維新とみんなで反・自公票を奪い合うことがないように、協力しようということなのです。

■もうひとつの「ねじれ」

 しかし、みんなの党代表の渡辺喜美衆議院議員が難色を示しているなどと報じられており、この連携はイマイチうまく行っていないようです。

 2つの党が選挙で協力するということは、選挙区でどちらか一方の候補者しか出馬させないようにする必要があります。そうなると、どちらの党の候補者をより多く出すかでまず揉めそうです。

 また、維新とみんなは、それぞれ衆議院と参議院で相手に対してアドバンテージを持っていて、これがお互いに自らが主導権をとるべきだと考える根拠になっています。

 維新は衆議院で54議席を占めていて、野党第一党である民主党との差はわずか2議席です。維新は「ほぼ」野党第一党であることにものをいわせ、今まで自民党と民主党で話し合っていた衆議院各委員会の運営の協議に、自らも加えるよう要求しています。(日本経済新聞:『維新「委員会運営への参加認めよ」 他の野党は反対』

 みんなは参議院で12議席を占めています。一見少なく見えますが、民主党、自民党、公明党につぐ勢力で、これでも野党第「二」党です。12議席になったのは1月からで、これによって参議院の運営を支配する議院運営委員会にみんなの党から2人送り込めるようになり、議院運営委員会は野党が過半数を占めることになりました。(読売新聞:『参院議運委は野党過半数…米長氏、みんな会派に』

 衆議院と参議院の維新とみんなの議席数を表にするとこうなります。

衆議院 参議院
日本維新の会 54議席 3議席
みんなの党 18議席 12議席

■参議院の方が重要

 数でみると維新の方が多いですが、衆議院は自公が全体の3分の2を超える議席を保有しているため、あんまり意味がありません。数で自公に対抗しようがないからです。

 そう考えると、自公が過半数に届いていない参議院で12議席をもつみんなの方が遥かに大きな力を秘めています。民主党を協力させられない場合、参議院で自公の思惑通りにことを進めるには、みんなの協力が必要不可欠だからです。

 みんなの党が有利な理由がもうひとつあります。それは減らない参議院の議席にあるのですが、それはまた次回。


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