首班指名選挙と参議院の情勢


 2012年12月26日現在。衆議院と参議院の両院で自民党の安倍総裁が内閣総理大臣に指名されました。

 昨日書いた記事では、参議院の「議席数から考えると、今日中に決まる予定の民主党の新代表が一番多くの票を得る」と書きました。しかし、参議院のサイトを確認すると、民主党の87議席に対し、自民党(83)と公明党(19)をあわせる102議席となっています。第一回投票から安倍さんが一番多くの票を得ることは決まっていたわけです。間違えてしまいました。

 第一回投票で過半数を獲得した候補者がいなかったため、安倍さんと民主党の海江田代表で決選投票が行われ、安倍さん107票、海江田さん96票で安倍さんが指名されました。自公や民主党以外のほとんどの党は白票を投じ、その数は30票にのぼりました。また、新党改革や新党大地は安倍さんに、日本未来の党は海江田さんにそれぞれ投票したようです。

 この決選投票の結果得た票数を自公がコントロールできる議席数とみると、自公が参院を動かすのに必要な議席はあと12〜15議席程度となります。幅があるのは、現在参議院に欠員が存在していて236議席となっているためです。

 安倍さんが目指している日銀法改正など、民主党が対決姿勢をとるとみられる案件については、この12〜15議席をなんとか工面しなければなりません。

 民主、自民、公明に次ぐ議席を持つのは、11議席を保有するみんなの党です。みんなの党もまた、日銀法改正や積極的な金融政策の活用を訴えているため、自公と協調する場面があるかもしれません。ただ、みんなの党の議席を加えても過半数にはまだ届かないため、民主党議員を造反させるか欠席させる(欠席がでると過半数ラインが下がります)、または国民新党や日本維新の会から協力を得るなどしないとならないでしょう。

 自公が参議院で協力を得るには、衆議院でも少数政党に配慮した議会運営が必要になると思われます。衆議院での振る舞いによって、参議院で報復される可能性があるからです。衆議院で多数をの議席を持っていても、参議院に配慮しないといけないわけですね。


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