2018年3月5日現在。
国会に関する報道をみていると大きく分けて3つの登場人物がでてきます。政府と与党と野党です。
この3者のうち、政府と与党は構成員が重なる点はありますが、基本的に別物です。
政府を構成しているのは、役所の職員である官僚と、与党議員の一部が任命されている大臣や副大臣、政務官です。
日本では議院内閣制をとっているため、与党の支持がなければ政府は存続できません。
また、日本の政治の仕組みでは政府が国会審議をコントロールする手段ありません。そのため、政府は与党の協力がないと法案審議を進めることができません。
2018年3月2日付けで、NHKが働き方改革法案をめぐる政府と与党のやりとりをとりあげています。
記事の中で自民党の森山国会対策委員長がこう述べています。
「国会運営について、官邸から『こうしろ』『ああしろ』と言われたことはない。お互いの立場を理解しておかないと。私が行政権に入っていったり、また、政府が立法権に入ってくるとおかしくなるから。そこはしっかりわきまえている」
この言葉から政府と国会は、三権(立法権・行政権・司法権)の行政権と立法権という立場の違いがあるという意識が建前として存在することがわかります。
与党議員の意見がすべて政府に採用されることはないため、与党議員のなかには政府に不満を持つ人も出てきます。
政府に不満を持つ与党議員と野党議員が連携する事態に陥ると、選挙を経なくても政権交代が起こる可能性があります。
どういう場合かというと、内閣不信任案が与党議員の一部と野党議員の賛成で可決する->内閣総辞職する->与党議員の一部と野党議員の支持を受けた議員が首班指名選挙で勝つ->新内閣成立、という場合です。
ただ、内閣不信任案が可決された内閣は総辞職の他に衆議院の解散をすることもできるので、普通は解散総選挙になると思います。