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補正予算案、衆議院通過―与党は2/10から本予算審議を提案


 2014年2月5日現在。昨日4日、衆議院予算委員会は2013年度補正予算案を可決しました。夜に開かれた衆議院本会議は、補正予算案を緊急上程し、これもまた与党の賛成により可決しました。今日からは参議院予算委員会での審議が始まります。

 補正予算案は6日にも参議院で可決され成立する見込みです。こうなると、そろそろ2014年度予算案、本予算の審議日程が気になってきます。

 昨年度は暫定予算が組まれました。年末の政権交代による予算編成の遅れや、衆議院と参議院で多数派が違うねじれ国会のため、3月末までに本予算が成立しなかったからです。成立どころか、衆議院すら通過していない状態でした。

 今年度は昨年度とは状況が違うので、3月末までに成立しなければ与党の国会運営がまずかったということになります。与党は、2月10日から衆議院で本予算の審議に入りたいという提案をしています(NHK NEWSWEB『安倍首相「96条改正すべき必要性訴えたい」』2月4日 12時19分)。カレンダーをみると、与党の提案は2月を目一杯つかって予算審議をする意思を示していることがわかります。

2014年2月
26 27 28
衆代表質問1
29
衆代表質問2
参代表質問1
30
参代表質問2
衆参予算提案理由説明
31
衆補正1
1
2

3
衆補正2
4
衆補正3
衆議院通過
5
参補正1
6
参補正2採決
7 8
9

 

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衆本予算1
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衆本予算2
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衆本予算3
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衆本予算4
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衆本予算5

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衆本予算6
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衆本予算7
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衆本予算8
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衆本予算9
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G20
 
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G20
 
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衆本予算10
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衆本予算11
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衆本予算12
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衆本予算13
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衆本予算14
1

 このカレンダーは2月の平日をすべて予算審議につぎ込んだ場合を表していますが、実際にここまでできるかはわかりません。

 ですが、例年の予算審議の実績を考えると、これくらいしなくては本予算の年度内成立はおぼつきません。スケジュール上しょうがないのです。


補正予算案6日成立?―与党ペースの国会審議


 2014年2月4日現在。衆議院で審議されている2013年度補正予算案は、今夜衆議院を通過し、6日にも成立すると報じられています。NHK NEWSWEBによれば、与野党合意のもとでの決定とのことですので、衆議院3日、参議院2日の日程は異例なことではないようです(NHK NEWSWEB『今年度補正予算案 6日に成立の見通し』2月4日 4時00分)。

 この報道を踏まえると、予算審議のスケジュールは以下のようになります。

2014年2月
26 27 28
衆代表質問1
29
衆代表質問2
参代表質問1
30
参代表質問2
衆参予算提案理由説明
31
衆補正1
1
2 3
衆補正2
4
衆補正3採決
5
参補正1
6
参補正2採決
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9 10
衆本予算1
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衆本予算2
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衆本予算3
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衆本予算4
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衆本予算5

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衆本予算6
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衆本予算7
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衆本予算8
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衆本予算9
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G20
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G20
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衆本予算10
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衆本予算11
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衆本予算12
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衆本予算13
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衆本予算14
1

 参議院で採決が予定されている6日は木曜日で、参議院本会議の定例日ではありません。定例日でなくても本会議を開けるのは知っていましたが、思ったより野党の抵抗がありませんでした。報道で目にしたのは「参議院でも集中審議を1回やるべきだ」という主張くらいです(NHK NEWSWEB『補正予算案巡り与野党の駆け引き続く』2月3日 5時13分)。見えないところで熾烈な争いがあったのでしょうか。

 今回の日程は、安倍首相がソチオリンピック開会式に出発するのが7日であるために組まれた日程です。首相のオリンピック開会式出席という大義の前には、あまり反対もできなかったのでしょうか。さすがに、野党も単に譲歩しただけでなく、2014年度予算案―本予算の審議の進め方についてなんらかの注文をつけているはずです。

 それにしても、首相の訪米前に補正予算が成立するかしないかでもめながら、野党の要望を汲んで衆参5日ずつ補正予算審議をした昨年とはえらい違いです。今のところ、国会審議は与党ペースで進んでいます。


緊急上程の意義


 2014年2月3日現在。衆議院と参議院の意思を決定する本会議には、定例日があります。衆議院は火・木・金。参議院は月・水・金。政治日程を考える際には、本会議がどのタイミングにくるかを考慮に入れないといけません。

 一昨日出した以下のカレンダーは、衆参の本会議の定例日を考慮にいれたものになっています。1年以上やってきて、やっと定例日を意識したカレンダーができました。

2014年2月
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衆代表質問1
29
衆代表質問2
参代表質問1
30
参代表質問2
衆参予算提案理由説明
31
衆補正1
1
2 3
衆補正2
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衆補正3採決
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参補正1
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参補正2
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参補正3採決
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衆本予算1
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衆本予算2
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衆本予算3
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衆本予算4
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衆本予算5

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衆本予算6
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衆本予算7
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衆本予算8
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衆本予算9
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G20
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G20
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衆本予算10
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衆本予算11
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衆本予算12
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衆本予算13
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衆本予算14
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 衆議院での2013年度補正予算の採決予想日は火曜日。参議院での採決予想日が金曜日。どちらも定例日です。

 補正予算の審議日程の相場を3日程度と想定すると、衆議院本会議で補正予算が採決される日になって、やっと予算委員会で補正予算を採決することになります。本会議の議題は前日に発表されることになっているため、採決日当日の本会議の議題に2013年度補正予算案は入らないことになります。予算委員会で採決されていないから当然です。

 議題になっていないものを審議したり採決することができないのが、国会審議の原則です。このままでは補正予算案を採決できるのは、木曜日か金曜日になってしまいます。ここで、その日のうちに委員会で採決した案件を本会議の議題に載せる、上程するためにとられるのが「緊急上程」という方法です。

【参考】衆議院規則
第百八条 会議を開こうとするときは、議長は、予め議事日程を定めてこれを議院に報告する。
第百九条 議事日程には、開議の日時及び会議に付する案件並びにその順序を記載する。
第百十条 議事日程は、衆議院公報に記載し、且つ、官報にこれを掲載し、各議員に配付する。

 


与党内調整はどのように行われているのか知りたい


 2014年2月2日現在。安倍首相が、野党・みんなの党の渡辺代表に直接政策協議を呼びかけたことは、異例なことでした。

 では、与党内ではどのように政策協議をしているのでしょうか。本日付の読売新聞朝刊に『教委改革 主張権限が焦点 与党、4日に作業部会』と題する記事がでていました。教育委員会制度改革をどのように進めるべきかを自民党と公明党で決めようということですね。

 記事によれば、自民党と公明党は2月4日に教育委員会制度改革を協議する作業部会を設置するそうです。メンバーは、自民党からは遠藤利明教育再生実行本部長、義家弘介副本部長、丹羽秀樹文部科学部会長。公明党からは富田茂之幹事長代理、山本香苗文部科学部会長です。自公の教育政策を担当する議員がメンバーのようです。公明党の富田幹事長代理だけちょっと浮いてる感じがしますが、富田さんは公明党の文部科学部会顧問を務めているので、教育政策を担当する人であることに違いありません。

 どんな政策でもこういう作業部会が設置されて、与党内で協議をしているのでしょうか。わからないことが多すぎて、なんとも言えません。コツコツ調べるしかありません。


2014年度予算案の衆議院通過は3月6日か?


 2014年2月1日現在。昨日1月31日から2013年度補正予算の審議が衆議院で始まりました。補正予算の審議の相場は、衆参で3回ずつです。政府は、2月7日のソチオリンピックの開会式に首相が出発するまでに成立させたいようですので、ぎりぎり間に合う計算になります。

 カレンダーにすると、以下のように予算審議が進むと予想しています。補正は2013年度補正予算案、本予算は2014年度予算案の審議を示しています。

2014年2月
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衆代表質問1
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衆代表質問2
参代表質問1
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参代表質問2
衆参予算提案理由説明
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衆補正1
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衆補正2
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衆補正3採決
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参補正1
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参補正3採決
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衆本予算2
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衆本予算4
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衆本予算11
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衆本予算13
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衆本予算14
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 22日から23日にかけて、オーストラリアのシドニーで開催されるG20に財務大臣が出席するため、もしかしたら21日か24日は予算委員会がないかもしれません。

 昨年は、2013年度予算が衆議院を通過するまでに18日間予算委員会が開催されています。今年も同じだけ開催されるとすると、2014年度予算案の衆議院通過は、最速で3月6日になります。そして、参議院で「7掛け」で審議するとなると、12日間程度参議院予算委員会が開かれ、3月26日には2014年度予算案が成立することになります。

 2013年度内に成立することが求められる「日切れ法案」の審議日程も考えると、プラス3日程度の平日が3月31日までに必要になります。3月27日以降の平日は、まさに3日となっており、年度内に2014年度予算と日切れ法案を成立させるのはギリギリのようです。


政策協議に関与する党が増えたとき、国会審議は充実するか


 2014年1月31日現在。安倍首相とみんなの党の渡辺代表の政策協議が実現すると、政策に関与する勢力がひとつ増えることになります。広く話し合うことはいいことですが、問題がないわけではありません。

 従来は、政府・自民党・公明党で決めていました。みんなの党との政策協議が実現すると、政策に関与できる勢力は、政府・自民党・公明党・みんなの党と4者になります。ここで、この4者を政策に関与できるプレーヤーと呼ぶことにします。

 すべてのプレーヤーが、ある政策について賛成か反対のどちらかの態度しかとらないとき、論理的にどれだけのケースが想定できるでしょうか。2×2×2×2=16通りのケースが想定できます。表にすると以下のようになります。

政府 自民党 公明党 みんなの党
賛成 賛成 賛成 賛成
反対 賛成 賛成 賛成
賛成 反対 賛成 賛成
反対 反対 賛成 賛成
賛成 賛成 反対 賛成
反対 賛成 反対 賛成
賛成 反対 反対 賛成
反対 反対 反対 反対
賛成 賛成 賛成 反対
反対 賛成 賛成 反対
賛成 反対 賛成 反対
反対 反対 賛成 反対
賛成 賛成 反対 反対
反対 賛成 反対 反対
賛成 反対 反対 反対
反対 反対 反対 反対

 もし、みんなの党がプレーヤーに加わらなければ、ケースはこの半分になります。みんなの党が加わるだけで、一気に8ケースも加わるのです。

 これだけの可能性があるものを、すべて賛成かすべて反対にまでまとめることの労力を考えると、プレーヤー間でいったん決めたことはなかなか変えられません。となると、「全員で決めたことだから」と、国会で法案を審議する段階でなかなか譲歩できず、結果的に原案で押し通す場面が出てくるかもしれません。

 もちろん、柔軟かつ迅速に合意をまとめることができ、より国会審議が充実する可能性もありますが、国会審議が硬直化する方向にいく可能性もなくはないのです。


政府と野党の政策協議はハードルが高い


 2014年1月30日現在。安倍首相がみんなの党の渡辺代表に政策協議を提案したことで、与党がゆれています。

 政府とみんなの党が政策協議するタイミングは3つあります。1つは与党が法案の内容を議論する前。2つめは、与党が法案の内容を議論している間。そして3つめは、与党が法案を内容を議論し終わった後です。

 3つめのタイミングは、与党が結論を出したものを政府と野党で変えてしまうことになるので難しいです。

 2つめのタイミングは、与党が議論している間に政府と野党で協議することになり、議論が2重になります。矛盾する結論が出た時に、話をまとめるのに一手間かかります。

 かといって、1つめのタイミングでは政府と野党が合意した内容を、与党が汲む形で結論を出さなければ野党が納得しません。そして、与党が政府と野党の合意したものをすんなり受け入れるかどうかわかりません。

 どのタイミングで政策協議しようと、与党が協議に加わらなければ話がまとまりません。政府と野党の直接の協議というのはかなりハードルが高いといえます。

 ちなみに、与党である自民党と公明党は、「政府・与党間で政策を詰めた後に野党との合意形成を目指す従来方針で臨む(時事ドットコム『政策協議は政府・与党間優先=自公幹部が確認』2014/01/29-12:06)」という方針で今のところ一致しています。従来方針というのは、与党と野党で合意形成をめざすということです。

 果たして、どのような形で政府と野党の政策協議が行われるのでしょうか。


どのタイミングで政策協議するのか


 2014年1月29日現在。安倍首相がみんなの党と政策協議することを表明したことに対する反応が出始めました。与党とみんなの党が協議するのではなく、首相とみんなの党が協議する方針だと報じた、昨日の日経朝刊の記事は正しかったようです。

 自民党の石破幹事長は、記者会見で「みんなの党との政策協議について、今のところ党に指示がきていない。どういう形で政策協議をするのか決まっていない」という内容の発言をしています。

 安倍首相、つまり政府とみんなの党が政策協議した場合どのような形になるでしょうか。

 まず、政府とみんなの党がどのタイミングで協議するかが問題になります。法案が国会に提出されるまでの間に、与党は法案について官庁の法案担当者を呼んだりして議論しています。自民党の場合、政務調査会を経て総務会で了承された法案が閣議決定され、国会に提出することができるようになります。ですから、政府とみんなの党が政策協議するタイミングは、3つあります。1つは与党が法案の内容を議論する前。2つめは、与党が法案の内容を議論している間。そして3つめは、与党が法案を内容を議論し終わった後です。

 このうち、3のタイミングはまずないでしょう。なぜなら、与党が了承した法案を、政府がその内容を変えて閣議決定し、国会に提出することになるからです。与党の立場はなくなります。国会運営に直接携わるのは与党なので、与党がやる気をなくすと法案の成立が危ぶまれます。


首相とみんなの党が直接政策協議


 2014年1月28日現在。安倍首相がみんなの党との政策協議をすることを表明した件が、今朝も報道されています。

 てっきりみんなの党と与党が政策協議するのだと思っていましたが、本日付の日本経済新聞朝刊に、みんなの党は「首相と直接、政策協議」をするという記事が出ていました。これは、結構重大なことかもしれません。

 政権与党所属の議員には、2種類の人がいます。○○大臣や副大臣、○○政務官などになって政府の立場で働く人と、幹事長や国会対策委員長など国会の立場で働く人です。政府としては提出した法案がそのまますみやかに成立してほしい。一方、実際に審議する国会としてはスムーズに法案を成立させるためには野党と妥協したり、一部の法案を諦めたりする必要があったりして、同じ与党の議員なのに対立関係になったりします。この間も、「政府の説明が足りないから不必要に国会で揉めたのではないか」と自民党から政府に対して「もっと説明してほしい」という要望が出されています。また、国会関係の党役員を政府の役職についた人が兼ねていることもないため、政府が国会運営をコントロールするのは難しいとされています。

 このような状況下で、首相はみんなの党と直接政策協議をすると言っているわけです。日経の報道が正しければ、このことは政府が国会運営を直接コントロールするための第一歩となるかもしれません。

 ただ、どうやって政府と協議するのでしょうか。国会の委員会の与党理事や国対にちゃんと根回しできるのでしょうか。政策協議するとしたら、政府とみんなの党が合意した内容が、自民党の意思決定プロセスに乗ると思われますが、与党が納得するのでしょうか。などなど、いろいろクリアしなければならない問題があります。

 これは注目です。


議事妨害か政策協議か


 2014年1月27日現在。安倍首相は施政方針演説の最後で「責任野党とは政策協議を行っていきたい」と、議事妨害をしない野党の意見を法案に反映する姿勢を示しました。

 さっそく、昨日26日に安倍首相はみんなの党と政策協議を進めることを表明しました。与党とみんなの党は、昨年末の臨時国会で特定秘密保護法案について修正協議をまとめています。

 圧倒的な与党との戦い方には2つあります。1つは議事妨害により与党と対決するもの。もう1つが、個別に賛成できる政策について与党と協議し、自党の公約が盛り込まれるようにするものです。

 前者が、最終的に与党による強行採決で敗北してしまう宿命にある場合は、後者の方法をとったほうがいいでしょう。議事妨害による与党攻撃は、与党が強行採決を辞さない姿勢を示した時、どうにもならないからです。