安倍内閣の与党コントロール


■自民党の党内手続きが省略されている

 2013年8月30日の日経新聞朝刊に『自民、政策決定に「異変」』という見出しで、自民党の意思決定の手続きが省略されていることを大きく報じました。

 例えば、社会保証制度プログラム法案の骨子を、政務調査会決定と総務会決定を省略し閣議決定しています。また、税制改正のプロセスである、政務調査会部会による省庁や業界に対するヒアリング→部会要求のまとめ→自民党税制調査会決定の流れのうち、ヒアリングと決定要求を省略しています。さらには、やはり政調部会で行う来年度予算の概算要求の取りまとめも、短期間のうちに終了しています。

 日経は、これらの状況から考えて、政府が党を強く指導している、いわゆる「政」高「党」低の状況が続いているとみているようです。

■党の方が強くなりやすい

 議院内閣制においては、政府と与党は一心同体です。政府と与党、どちらを欠いてもおかしなことになります。与党は、政府がなければ行政に関与できず、政府は、与党がなければ国会審議を進めることができないからです。

 ここで重要なのは、行政の行動に法律の裏付けが必要な関係上、国会に直接関与できる党のほうが圧倒的に強いということです。また、与党に所属している議員が一丸となって政府を支持するからこそ、政府=内閣は国会の信認を保てるのであって、与党議員の多くが内閣の動きに反対した場合、内閣の命運は簡単に尽きてしまいます。

 つまり、政府と党の関係は、「党」高「政」低になりやすいといえます。

■党をコントロールするにはどうすればよいか

 政府、というよりも首相が強いリーダーシップをもって政治をおこなうためにはどうすればいいでしょうか。自民党の場合は、党三役、つまり、幹事長、総務会長、政調会長を内閣に協力させることが第一歩です。

 現状をみてみると、幹事長こそ総裁選で対立候補だった石破茂さんが務めていますが、総務会長も野田聖子さんと政務調査会長の高市早苗さんは首相にとても近いといわれています。この事実は、総務会長と政調会長が党内手続きの要となる機関、総務会と政務調査会を司っているため、非常に重要です。政府が実現したい政策は、党内機関の了承という形で党の決定にしなければ、基本的にはできないからです。

 与党のコントロールは、首相が思い通りの政策を実行するうえで非常に重要です。日経の記事を見る限り、安倍内閣は自民党のコントロールに成功しているようです。


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