大臣に出席を要求する手続きはどうなっているのか?


    まとめ:参議院予算委員会をめぐる現状

  • 政府・与党が参議院予算委員会を2日連続で欠席
  • 野党:参議院予算委員会に大臣が欠席したのは憲法違反。
    (憲法63条:大臣の国会出席義務)
  • 与党:参議院議長は現在不信任決議案を提出されている。事故ある状態だから大臣は呼べない。
    (国会法71条:委員会は議長を経由して大臣を呼ぶ)
  • 参議院は正常な状態ではないため、どちらが正しいとも言いがたい。
  • 憲法63条の要件が不明。今後調べていきたい。

■政府・与党が参議院予算委員会欠席

 2013年6月25日現在。昨日24日と本日、政府と与党は参議院予算委員会を欠席しました。石井予算委員長(民主)などの野党は「憲法63条を無視している」と政府の対応を批判しています。

 憲法63条は、大臣の国会出席義務について書かれています。

第63条 内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。又、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。

 条文から判断すると、野党の主張は正しいように思えます。

■大臣に出席を要求する手続きは?

 これに対する与党の言い分として、今朝の読売に自民党の脇参議院国会対策委員長のコメントが載っていました。

「委員会に首相を呼ぶ時は、議長経由で呼ばなくてはならない。(不信任案を受けた議長が)どうして首相を呼べるのか」
(読売新聞2013年6月25日付朝刊)

 確かに、国会法には以下のように書いてあります。

第七十一条  委員会は、議長を経由して内閣総理大臣その他の国務大臣並びに内閣官房副長官、副大臣及び大臣政務官並びに政府特別補佐人の出席を求めることができる。

 この条文によると、大臣を呼ぶ際に議長が何らかの役割を担っていることは間違いなさそうです。

■多用は禁物

 脇国対委員長の言うとおり、平田参議院議長の不信任決議案が参議院に提出されています。議長や委員長の不信任案が出た時は、議長・委員長に代わって別の人間が会議を進めることをふまえると、参議院議長は大臣を呼べる状態ではないというのも一理あります。

 ただ、そうなると政府に都合が悪いことがでたときは、議長の不信任案を出せば国会への説明を回避できるということになります。これでは、憲法63条の趣旨は台無しになります。「議長に事故がないときのみ大臣を呼べる」という確かな先例や慣例がない限り、やたらに使っていい理屈だとは思えません。

 これは、野党にも言えます。24日と25日の予算委員会は、石井委員長が職権で開会を決めたものです。正常な状態なら、与野党の理事で構成される理事会で開会が決まるところを委員長が1人で決めているわけです。これで大臣を国会に出てこさせようとするのも考えものです。当然ながら、大臣にもそれそれスケジュールがあります。急に言われて国会に出れるとは限らないでしょう。まして、総理大臣ならなおさらです。

 また、大臣が出て来ない場合、憲法違反になるのはもちろんですが、同時に国会の権威を大きく傷つけます。出席する見込みもなく、出席させる力もないときにやたらに呼びつけても無視されるだけです。現にそうなっています。これでは参議院の権威が危ういです。

 与党の理屈も野党の理屈も、常に使えるものではないように思います。実際にどういう手続で大臣を呼んでいるのか、憲法63条が効力を持つにはどのような要件が必要なのかなどがはっきりするとわかりやすいんですけどね。どうも、憲法違反という重大な事態を招かないように、わざとぼかしているような感じがします。憲法63条と国会法71条の実際については調べる価値がありそうです。


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