もっと楽しく政治の話をするための国会のルール


政治につきまとう厄介なイメージ

 「政治」には、厄介なイメージがつきまといます。政治の話は、初対面の人との会話で出してはいけない話題のひとつとされています。どういう話題が政治の話になるかというと、沖縄の在日米軍基地の問題とか、憲法改正とか、愛国心、夫婦別姓などなど、なんらかの政策に関する話題です。これらの政策の共通点は、それぞれの人の立場によって、最適な解決策が違う点にあります。そのため、すべての人が100%納得する政策は、おそらくありません。

 「政治」に厄介なイメージがつきまとうのは、すべての人が100%納得する政策がないためです。どの政策も誰かにとってマイナスになる可能性があるため、政策を中心に政治の話をすると、自分の立場をかけた戦いになってしまうのです。戦いになってしまったら、お互いに無傷ではいられません。ここが、政治の話をするときに障害になるポイントです。

 では、政治の話を安心してすることは不可能なのでしょうか。不可能ではありませんが、ひとつ条件があります。その条件とは、政治のルールを把握することです。

 スポーツ観戦をしたあと、友人と感想を話すとき、ルールを無視して自分が応援しているチームが勝ったと言い合うでしょうか。そんなことをしていたら喧嘩になります。大抵の場合、ルールに照らしてどのチームが勝ったかはお互い了解していて、その上でプレー内容がどうだったかについて話すと思います。ルールの範囲内で、このチームは勝ったけどプレー内容が気に入らないとか、そういう好みの違いはあるかもしれません。SNSなどで見る政治の話は、ルールを無視して自分が支持する政策を推している政党や政治家が勝ったと言いはっているのに近いです。

国会のルールを知るメリット

 では、知っておくべき政治のルールとはなんでしょうか。政治には色々な面があるため、政治のルールにも色々あるのですが、私は国会のルールを知ることをおすすめします。

 なぜ国会のルールなのかというと、普段ニュースなどで目にする政治は国会に関するものが多いからです。「予算委員会」、「審議拒否」「強行採決」、「内閣不信任決議案」、政治に興味がある方ならよく目にするフレーズではないでしょうか。これらはすべて国会に関する言葉です。

 また、国会に対して政府というものがありますが、政府の活動のルールは各省庁ごとに違うものもあり、難しいです。それに、政府の活動は政策に結びついてくるので、政策と分離するのが難しいという理由もあります。

 そして、国会は「言論の府」とも呼ばれる、話し合うためにある機関です。国会のルールというのは、話し合いをまともに成立させるために必要なルールでもあります。国会のルールが平気で無視されるようになると、話し合いが形だけのものになってしまいます。

 国会での話し合いが、形だけのものになるのは危険なことです。新しい政策は、必ず国会での話し合いを通じて実現します。国会を適当に済ませていいようになってしまうと、どんな政策も好き放題できてしまうことになります。ルールの破り方によっては、好き放題できてしまうのが多数派ではなく少数派になることもあるかもしれません。

 国会は政策実現の最後の関門です。どんな政策を支持しているにせよ、国会を無視することはできません。福祉政策、外交政策、安全保障政策、財政政策、どの政策を重視していようと、すべて最後は国会に行き着きます。国会は政治の中心であると言っても過言ではありません。

 ですから、政治の話をするときに、まず国会のルールを把握するのがいいと思います。

 この連載で、今までブログに書いた内容をまとめて、国会の審議がどのようなルールで行われているかを説明します。そして、実際のエピソードをもとに、国会のルールがどのように攻撃や防御に使われていったかがわかるようにします。一通り読めば、国会関係の政治ニュースの意味がよりわかるようになります。

 個々の政策の是非に踏み込まず、その政策を可能にする議案が国会で可決される可能性はどの程度かを話し合うことができれば、友人とスポーツや映画の感想を話すように政治の話をできるはずです。


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