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存在感を増す公明党の拒否権には限界がある

 衆院予算委員会は28日、安倍晋三首相と関係閣僚が出席して、集団的自衛権行使容認など安全保障政策を中心に集中審議を行う。首相が自民、公明両党に安保法制の検討を要請してから初の本格論戦で、首相と行使容認に慎重な公明党とのやりとりが焦点。

『時事ドットコム:安倍首相と公明、本格論戦=28日に衆院集中審議-集団的自衛権』

 時事通信の記事です。凄い見出しです。『安倍首相と公明、本格論戦』。まるで公明党が野党であるかのようです。野党の存在感が低下し、自民党内の非主流派の存在感もあまりない状況で、公明党が存在感を増していることがうかがえます。

 公明党の存在感が増していることには理由があります。公明党には拒否権があるからです。

 例えば、集団的自衛権の行使ができるようになるには、憲法解釈を変更する閣議決定が必要だとされています。閣議決定は全会一致でなければなりません。大臣がひとりでも反対したら、閣議決定出来ないということです。与党である公明党から、太田昭宏国土交通大臣がでていますので、太田大臣が反対したら閣議決定はできないことになります。

 また、自民党は参議院で単独で過半数を超える議席を持っていません。公明党の議席なくして、一本の法案も通すことはできないのです。

 ただ、公明党の拒否権も絶対ではありません

 まず、閣議決定は反対した大臣を安倍首相が罷免し、一時的に罷免した大臣を首相が兼務することで全会一致にすることが可能です。

 また、参議院で議席数が足りない問題は、集団的自衛権について首相と考えが近いとみられる参議院の野党議員が賛成すれば解決します。賛成までいかなくても、欠席すれば過半数が少なくなるので、自民党のみの賛成でも法案を可決させることが可能になります。参院自民党の議席は114議席なので、15人も欠席すれば参議院の過半数です。

石原共同代表の「拒否権」の根拠はなにか

 一方、石原氏は記者団に「私には拒否権がある」と強気の態度を示しており、党内が分裂含みの対立に発展する可能性も出てきた。

『時事ドットコム:維新・石原氏がちゃぶ台返し=結いとの合流方針に』

 2014年5月20日現在。日本維新の会の石原共同代表が、日本維新の会と結いの党の合流に反対する考えを示しました。日本維新の会の両院議員懇談会でのことです。

 冒頭に引用した時事通信の記事にはありませんが、本日付の読売新聞朝刊には、石原共同代表に日本維新の会の党規約に定められた拒否権があるそうです。早速、日本維新の会のサイトを見てみたのですが、代表の拒否権に関する記述は見つけられませんでした。以下の条項がいまいちよくわからないのですが、もしかしたらこれが拒否権の根拠なのかもしれません。

6 執行役員会の議事は代表及びその他の構成員の双方の意見を含む出席者の過半数の意見をもって決する。

『規約|日本維新の会とは|日本維新の会』

「日本維新の会・結いの党」の議員が議院運営委員会の理事に

 2014年5月18日現在。5月14日に参議院の会派、「日本維新の会・結いの党」の議員が参議院議院運営委員会の理事に選任されました。

 統一会派の届け出により、「日本維新の会・結いの党」が議院運営委員会に委員と理事を出せる10議席以上の会派になったのが4月25日です。それから3週間ちかくたっています。あいだにゴールデンウィーク期間をはさんでいるのでこれだけかかったのでしょうか。

 以下に「日本維新の会・結いの党」(以下「維結」)の会派結成から、維結の議員が議院運営委員会の理事に選任されるまでの議院運営委員会と理事会の動きを見てみます。

2014年4月25日(金)

・日本維新の会と結いの党が参議院統一会派「日本維新の会・結いの党」の結成を参議院事務局に届け出る。

2014年5月9日(金)

・参議院議院運営委員会理事会開催。

・参議院議院運営委員会の委員の異動あり。滝沢求議員(自民)、森本真治議員(民主)が辞任し、室井邦彦議員(維結)、清水貴之議員(維結)が補欠選任される。

2014年5月12日(月)

・参議院議院運営委員会理事会開催。

2014年5月14日(水)

・参議院議院運営委員会理事会開催。

・参議院議院運営委員会開催。室井邦彦議員(維結)が新たに理事に選任される。以下、会議録より。

○委員長(岩城光英君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。
 まず、理事の選任についてお諮りいたします。
 理事会において協議いたしました結果、会派の変動に伴う理事一名の選任を行いたいと存じます。
 割当て会派推薦のとおり、室井邦彦君を理事に選任することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩城光英君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

第186回国会 議院運営委員会 第22号 平成二十六年五月十四日(水曜日)

ねばる公明党が存在感をしめす

2014年5月12日現在。今週にも、安倍首相の私的諮問機関である「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)が、集団的自衛権の行使容認を求める提言を出すとみられています。

集団的自衛権の行使容認に慎重な公明党の態度は、なかなか軟化しません。公明党はこの問題に関しては、かなり存在感を示しています。

国会での公明党の力の源は何かというと、ズバリ数です。参議院で自民党は単独で過半数の議席を持っていないため、公明党が寝てしまったら、野党の力を借りない限り何もできなくなります。

公明党のねばりによる影響か、ここ数日は集団的自衛権に直接関係ない、日本の安全保障上のグレーゾーンを解消するための法整備から話をはじめようという発言が、政府と与党から出てきています。安倍内閣の方針を後退させかねないくらいの力が、公明党にはあるようです。

集団的自衛権の行使容認については、野党が目立たず、自民党の慎重派も早々に「限定的な行使容認ならいっか」という感じになったので、余計に公明党のねばりが目立ちます。公明党のねばりによって、自民党の慎重派が息を吹き返し、与党内で熱く議論されるようになるかもしれません。

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「日本維新の会・結いの党」が参議院議院運営委員会に加わる

 2014年5月11日現在。日本維新の会と結いの党の統一会派、「日本維新の会・結いの党」が参議院で結成されたことにより、参議院議院運営委員会(定員:25)の構成が変わりました。

  • 自民党[114議席]:12(委員長1・理事3)-1名減
  • 民主党[58議席]:6(理事2)-1名減
  • 公明党[20議席]:2(理事1)
  • 日本維新の会・結いの党[14議席]:2 -New!
  • みんなの党[13議席]:2(理事1)
  • 共産党[11議席]:1(理事1)

 どうも、[会派の議席数]÷[10議席以上の会派の合計議席数]×[議院運営委員会の定員]で各会派が出せる委員の人数が決まるようです。実際にどういう計算で委員の割り振りをやっているのか気になります。

 また、「日本維新の会・結いの党」は議運の理事を一名出すことになるはずです。参議院のサイトによると5月10日現在、議院運営委員会に「日本維新の会・結いの党」の理事は選任されていません。新しい会派の委員が加わってすぐに理事が選任されるわけではないようです。