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補正予算案可決とみんなの党

■参議院で可決した補正予算案

 2013年2月27日現在。政府・与党の野党に配慮した国会戦略がうまくいったのでしょうか。それとも、昨年の衆議院解散以来の株高・円安に対する世論の好感によるものでしょうか。参議院の少数野党の一部が賛成にまわり、与党が過半数を持っていない参議院でも補正予算案は可決されました。

■みんなの党への影響

 この結果は、民主・自民・公明についで12議席を持っているみんなの党にとって厳しいものです。みんなの党抜きでも政治が進んでいってしまうことを示したからです。

 みんなの党は補正予算案に反対しました。ですが、冒頭に書いたとおり、補正予算案は1票差ではありますが参議院で可決成立しています。みんなの党を除いても与党が参議院で過半数を得られるのならば、国政への影響力は大幅に減少してしまいます。せっかく12議席を持っていても、なんの意味もありません。

■みんなの党と維新の会

 昨年末の衆議院総選挙で維新の会は大躍進しました。けれども、みんなの党の渡辺喜美代表が維新の会との共闘交渉に強気で臨んでいました。みんなの党の方が参議院で多くの議席を持っていたからです。

 今回の補正予算案可決で、みんなの党と維新の会との力関係が変わるんじゃないかと予想しています。

補正予算案の審議日程の攻防5・完

■2012年度補正予算案成立

2013年2月26日現在。参議院本会議で2012年度補正予算案が可決し、成立しました。反対116票に対し、賛成117票。1票差の成立です。本会議での採決に先立ち、参議院予算委員会でも補正予算案は可決されています。安倍内閣は、補正予算案に関して「ねじれ国会」を克服したと言えるでしょう。

■審議日程からうかがえる民主党への配慮

 さて、今回の補正予算案の審議日程は、衆議院と参議院でともに5日ずつとなりました。以下がその日程です。

1 2
3 4 5 6 7
衆議院1
8
衆議院2
9
10 11
祝日
12
衆議院3
13
衆議院4
14
衆議院5
衆議院通過
15
G20
(麻生財相出席)
16
17 18
参議院1

19
参議院2
20
参議院3
21
参議院4
首相訪米1→
22

首相訪米2→

23

首相訪米3→

24

首相訪米4

25
韓国大統領
就任式
(麻生財相出席)
26
参議院5
補正成立
27 28 1 2

 当初、民主党は衆参各7日の審議日程を主張していましたが、それよりは短くなりました。とはいえ、与党も首相訪米前の成立を目指し、衆参各3日の審議を想定していたので、与党が勝ったというわけではありません。

 おそらく、民主党としては訪米前の補正成立を阻止することが第一目標としてあったのでしょう。それを達成するために、補正予算案の審議日程としてはべらぼうな長さの衆参各7日を与党に吹っ掛けたのだと思います。

 与党が訪米前の成立を断念せざるを得なかったのは、参議院で与党が過半数の議席を持たないためです。3月からは日本銀行の正副総裁人事の同意案件があり、2013年度本予算の審議も始まります。これらの課題をうまくこなさなければ、7月の参議院選挙での与党勝利はおぼつきません。

 このため、参議院の情勢を踏まえた国会戦略を立てる必要があります。この国会戦略の遂行が、「補正予算案の審議日程について民主党に譲歩する」という結果につながったのだと思います。

■わかったこと

 補正予算案の審議日程をおってわかったことは、以下の3つです。

    1.補正予算案を審議する予算委員会は、衆議院と参議院で同じだけの日数行われる
    2.予算委員会は、首相や財務大臣など主要な大臣が出席できない状況にでもならない限り、平日で連日行われることがある
    3.予算委員会の採決と本会議での採決は同日中に行われることがある

 ちなみに、補正予算案の審議日程の攻防4で書いた読売新聞の「26日参議院予算委員会採決、27日本会議採決」説は外れました。今週中に行われる、首相の訪米に関する衆参予算委員会の集中審議のあと採決する予想だったのでしょうか。まだまだわからないことは多いです。

    *2012年度補正予算案シリーズ*

補正予算案の審議日程の攻防4

■補正予算案、参議院で審議中

 2013年2月20日現在。先週、衆議院を通過した補正予算案は、参議院で審議中です。明日21日の首相訪米前にケリをつけたかった与党ですが、野党は応じず、補正予算案成立は来週になる見込みです。

■読売の予想の根拠は?

 与党が21日採決を断念したことを報じる記事は、朝日、毎日、読売などから発信されました。

 ほとんどの記事で、補正予算案の成立を「25日以降」としているなか、読売だけ「委員会採決は26日頃、本会議での採決は27日になる見通し」と、やたら細かく予想しています。

 なぜ26日採決なのでしょうか。慣例によれば、衆議院で5日審議している以上、参議院でも5日審議すれば十分なはずで、採決は25日にも可能に思います。

 この記事によると、「25日に行われる韓国大統領就任式に、政府が麻生太郎副総理兼財務相を派遣することを検討している」とあります。麻生財務大臣がいなくては予算委員会を開けないため、読売は26日に委員会で採決すると予想しているのかもしれません。

■読売の予想は合っているか?

 ただ、麻生大臣の訪韓を他社が知らなかったとも思えないので、読売だけ26日委員会採決と書いた理由はよくわかりません。それだけでなく、委員会採決と本会議採決が別々の日になるという根拠もよくわかりません。

 どの記者もだいたい読売と同じように考えていたけれど、読売以外は安全策で25日以降と書いたのでしょうか。それとも、読売だけ特別な情報源があるのでしょうか。

 読売の予想が合っているか、ちょっと楽しみです。

補正予算案の審議日程の攻防3

■衆議院通過は2月14日

 2013年2月13日現在。12日の衆議院予算委員会理事会で、補正予算案を14日採決することで合意した、という記事が今朝の朝刊に出ていました。記事によると、与党は13日採決を求めていたようですが、野党に押し切られた形です。

■記者のカレンダー

 補正予算案の実質的な審議は7日から始まっています。14日に衆議院予算委員会で採決された場合、衆議院では5日審議したことになります。慣例として、衆議院と参議院の予算委員会は同じだけ日数をかけることになっているので、参議院でも補正予算案の審議に5日かけることになります。

 以上を踏まえると、補正予算案の審議日程は、最速で次のようなスケジュールになります。

1 2
3 4 5 6 7
衆議院1
8
衆議院2
9
10 11
祝日
12
衆議院3
13
衆議院4
14
衆議院5
衆議院通過
15
G20
16
17 18
参議院1

19
参議院2
20
参議院3
21
参議院4
首相訪米?
22
首相訪米?
23
首相訪米?
24
首相訪米?
25
参議院5
補正成立?
26 27 28 1 2

 時事通信のこの記事で、「(補正予算案の)成立は早くて25日ごろになる」とありますが、この想定を書いた記者の頭の中にあるカレンダーは、これと同じものだと考えられます。

補正予算案の審議日程の攻防2

■首相の訪米

 2013年2月6日現在。前回の記事では、与党と民主党が補正予算案の審議に何日かけるのかで揉めていることと、財務大臣が国際会議(G20)に出席する2月15日は予算委員会が開けないことについて書きました。

 すでに昨年の衆議院総選挙の前からも報道されていましたが、安倍首相は今月下旬に訪米する予定です。現地時間の22日にはオバマ大統領と会談するとも言われています。

 このスケジュールが変わらない限り、首相は2月の第4週の後半は国会に出席できないということになります。

■衆参各7日だとどうなるか

 政府与党は、安倍首相の訪米前には補正予算案を成立させたいようですが、民主党は抵抗しています。

 もし民主党の要求通り衆参各7日の審議日程になると、以下のようになります。

1 2
3 4 5 6 7
衆議院1
8
衆議院2
9
10 11
祝日
12
衆議院3
13
衆議院4
14
衆議院5
15
G20
16
17 18
衆議院6

19
衆議院7
衆議院通過?
20
首相訪米?
21
首相訪米?
22
首相訪米?
23
首相訪米?
24
首相訪米?
25
参議院1
26
参議院2
27
参議院3
28
参議院4
1
参議院5
2

 首相の訪米日程は、昨日6日の日経朝刊に出ていた「政府・与党が想定する政治日程」の表を参考にしました。

 見ての通り、民主党の要求を受け入れて、訪米の日程も修正しない場合は、2月中に補正予算案の審議が終わらないことになります。補正予算案の審議が終わらなければ来年度予算案の審議はできませんから、来年度予算案が5月の連休前に成立するか怪しくなってきます。

 また、訪米や大統領との会談は相手のあることなので、時期を日本側の都合だけでずらすのも難しいでしょう。しかも、今回の訪米は、日本側から1月中の首脳会談を持ちかけていながらアメリカ側から延期を持ちかけられた経緯があるので、余計やりにくいところです。

■衆参各4日なら政府与党の勝利

 これが、衆参各4日なら20日には補正予算案が成立します。訪米も果たしつつ、今月末に来年度予算案を提出することもできるのです。もし、補正予算案の審議が衆参各4日の日程になったら、政府与党の勝利だと考えていいと思います。

 野党共闘という文脈の中で、民主党の国会戦略が有力野党(維新&みんな)から浮き始めているという報道も出てきています。補正予算案の審議日程について、民主党がどのあたりで納得するかというのは、大変興味深いところです。

補正予算案の審議日程の攻防1

■明日実質審議入り

 2013年2月6日現在。今朝の日経朝刊によると、昨日5日の衆議院予算委員会理事懇談会は、明日7日に補正予算案の基本的質疑を行うことで合意したそうです。しかし、採決までの見通しは未だ不透明です。

■「各3日」か「各7日」か

 同じく日経によると、与党が衆議院と参議院で3日ずつ審議することを求めたのに対し、野党民主党は7日ずつの審議を要求して、おり合いがつかなかったそうです。

 記事では、各7日は「異例」の長さだということでした。確かに、昨年の通常国会で審議された平成23年度補正予算(第4次)は各3日でした。ただ、この補正予算の規模は1兆円程度で、今回の約10兆円の10分の1です。規模が違いすぎて比較にならないかもしれません。

 そこで、同じ10兆円規模だった平成23年度補正予算(第3次)の審議日程をみてみますと、衆参各4日の審議となっています。平成23年は震災のため迅速な審議が求められた可能性もありますが、確かに今回民主党が要求している各7日は長いようです。

■なぜ最短で18日成立なのか?

 ところで、日経の記事では、衆参各3日なら補正予算案の成立は2月18日になるという見方を示していました。この記事で一番わからなかったのがそこです。2月のカレンダーを見ながら日数を数えてみると、3日ずつなら15日に成立するんじゃないかと思ったのです。

 なんで余計に1日必要なのかずーっと悩んでました。平日に予算委員会を続けて開かない決まりがあるのか、いや、昨年の通常国会は3日ずつ一気に審議してたからそれはないはずだ、う〜ん。

 時事通信のこの記事をみてようやく日経の日程予想の見当がついてきました。15日からG20があるため麻生財務大臣がモスクワに行ってしまい、国会に出席できないから1日多く必要なのです。以下に衆参各3日ずつ審議した場合を示します。

1 2
3 4 5 6 7
衆議院1
8
衆議院2
9
10 11
祝日
12
衆議院3
衆議院通過?
13
参議院1
14
参議院2
15
G20
16
17 18
参議院3
補正成立?
19

20 21 22 23
24 25 26 27 28

■大臣と国会

 憲法63条には「(大臣は)答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。」とあり、場合によっては、委員会開会中は勝手に席を立つことも許されないとまで言われることがあります。昨年、防衛大臣が予算委員会中に席を立ったため、揉めに揉めたこともありました。

 国会は大臣の時間を拘束する力も持っているのです。それは内閣総理大臣も例外ではありません。そのため、今月下旬の首相訪米が危ぶまれているのです。

**参考**
日本国憲法第63条
内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。又、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。

補正予算案の提出から実質審議入りまで

 2013年2月2日現在。「補正予算案に関する財政演説とは?」や、「予算案の審査過程と財政演説の位置づけ」の記事で、財務大臣が行う財政演説が予算案の審議過程でどのような役割を持つのかを考えてきました。

■補正予算案は提出後即衆議院予算委員会に付託

 私は2つの記事の中で、予算案国会提出→財政演説→財政演説に対する代表質問→予算案予算委員会に付託→予算委員会で予算案の趣旨説明→実質審議入り(基本的質疑)、という流れだと予想していました。

 しかし、昨日2月1日、衆議院のサイトに補正予算案の情報が掲載され、予想が外れたことがわかりました。掲載された情報によると、補正予算案が衆議院に提出(受理)されたのが1月31日で、同日中に予算委員会に付託されていることがわかります。

■衆議院予算委員会での趣旨説明は財政演説後

 今朝の読売朝刊と日経朝刊に、2月1日の衆議院予算委員会理事懇談会で、補正予算案の趣旨説明を2月6日にやると決めたという記事が掲載されていました。

 さらに、読売朝刊では、衆議院と参議院の議院運営委員会が、2月4日に行う財務大臣の財政演説に対する代表質問の日程を、衆議院で2月5日に、参議院で2月6日に行うことを決めたと報じています。

■補正予算案の提出から実質審議入りまで

 したがって、今年の補正予算案の提出から実質審議入りまでの過程は次のようになります。

  1. 内閣が衆議院に補正予算案を提出:1/31(木)
  2. 衆議院が補正予算案を予算委員会に付託:1/31(木)
  3. 補正予算案に関する財政演説:2/4(月)
  4. 財政演説に対する代表質問・衆議院:2/5(火)
  5. 財政演説に対する代表質問・参議院:2/6(水)
  6. 衆議院予算委員会で補正予算案の趣旨説明:2/6(水)
  7. 衆議院予算委員会で補正予算案の基本的質疑:2/7(木)←実質審議入り