集団的自衛権の行使容認」カテゴリーアーカイブ

町村派は409分の89


 2014年3月23日現在。報道により、集団的自衛権の行使容認を巡る自民党各派の態度がわかってきました。

 本日付の日経新聞朝刊に「自民各派、勉強会で慎重論」という見出しの記事がでました。内容は、自民党内の派閥によって、集団的自衛権の行使容認に対する態度に差があるという内容です。

 安倍晋三首相の出身派閥である町村派は行使容認を後押しする姿勢だが、額賀、岸田、大島各派などは慎重論を強めている。

(日経新聞『自民各派、勉強会で慎重論』)

 昨日買った『政官要覧』を早速参照してみます。町村派は衆参で89人の所属議員を擁しています。党内最大派閥です。日経の記事に出ている額賀派は54人、岸田派は44人、大島派は13人です。慎重派の派閥の議員数は積極派の町村派の議員数を上回ります。

 自民党の総議員数は409人です。町村派は自民党の4分の1もありません。派閥を超えて集団的自衛権の行使容認を訴えていかなければ、党論を統一できません。

 他の派の態度も知りたいですね。


与党盤石だからこそ出てくる議論がある


 2014年3月19日現在。来年度予算案がすんなり通り、「与党盤石」という見方が広がれば、思いっきり議論をしようという与党議員がいてもおかしくはありません

■与党ペースだからこそ議論が盛り上がる

 明日20日に2014年度予算案を採決することで、与野党は合意しています。国会は依然、与党ペースで進んでいます。これだけ与党の一人勝ち状態が続くと、少々党内が揺れても大丈夫じゃないかと思う人がでてきてもおかしくありません。

 補欠選挙を除けば、国政選挙も当分ありません。そうすると、例えば集団的自衛権の行使容認を巡る議論で、「首相とは違うが、自分の意見を言いたい」という人が出てくるかもしれません。与党が盤石になればなるほど、党内で議論が盛り上がる可能性もあるのです

 集団的自衛権の行使容認を巡る動きは、憲法上重要なテーマがどのようなプロセスで決まっていくのかと、与党と政府の綱引きがどういう風に行われるかという2つのことがわかるので非常にお得な話題です。


首相に今夏の大臣ポストを握られている各派


 2014年3月18日現在。夏には内閣改造が予定されています。自民党の派閥は現在の大臣ポストだけでなく将来の大臣ポストも人質に取られています。集団的自衛権の行使容認を巡る議論で、自民党内の各派はどれだけ存在感を示せるのでしょうか。

■自民党の各派は内閣改造で将来の大臣ポストも握られている

 岸田派の幹部が大臣になっているため、集団的自衛権の行使容認を巡る議論で岸田派として存在感を示しにくなっているという話があります。ただ、これは岸田派だけの問題ではありません。

 今夏には内閣改造が予定されていて、各派の入閣を待望している議員も言動が慎重にならざるを得ないのではないでしょうか。大臣になりたかったら、安倍首相の意に沿わないことはしないということです。

 ただ、早い段階で批判的なことを言って自分を高く売り、口封じということでよりよいポストを手に入れようという人も出てくるかもしれません。ですから、内閣改造だけで党内を統制できるかというとそうでもないかもしれません。


大臣は人質


 2014年3月17日現在。安倍首相が進める集団的自衛権の行使容認に批判的な自民党の派閥も、人質を取られていて自由に発言することが難しくなっています

■幹部を官邸に人質にとられている岸田派

 時事通信で面白い記事が出ていました。集団的自衛権の行使容認に慎重な議員が多いとされている自民党の岸田派ですが、会長の岸田外務大臣をはじめ、派閥幹部が大臣になっているため、安倍首相の意向に反する言動ができないというものです。

岸田派からは岸田氏や座長の林芳正農林水産相ら4人が入閣しており、表立って首相に異論を唱えにくいのが実情。首相の靖国神社参拝や、集団的自衛権の行使容認には慎重な考えだとされる岸田氏も、首相の方針から外れる言動は控えている。

『時事ドットコム:ハト派の存在感薄く=閣内に幹部、身動き取れず-自民岸田派』

 大臣同士で意見が違うと、「閣内不一致」と野党に攻撃の口実を与えてしまうので、仕方がない話です。