月別アーカイブ: 2020年11月

参議院で本格審議開始:第203回国会


 2020年11月29日現在。先週の国会では、参議院において衆議院から送付された法案の審議が進みました。さらに、衆議院と参議院で予算委員会の集中審議が行われました。

 集中審議では連休中に報道された「桜を見る会」関連の話題もとりあげられました。野党にとっては追い風になる話題ですが、野党はこれを活用して国会の審議日程に影響を与えることができるでしょうか。

第203回臨時国会のスケジュール実績
第203回臨時国会のスケジュール実績

政府提出法案が続々と衆議院を通過:第203回国会


 2020年11月23日現在。

 先週の国会では、今国会で政府が提出した7つの法案すべてが衆議院本会議で可決し参議院に送られました。また、今年の通常国会で継続審議となっていた3本の政府法案のうち、種苗法改正案を含む2本も衆議院を通過しています。

 国会は与党の思惑どおりに進んでいるようです。野党としては、せっかくもぎとった今週25日の予算委員会の集中審議で見せ場を作らないと支持者にアピールする場所がなくなってしまいます。

 ただ、25日の集中審議は衆議院と参議院両方でやるようです。総理大臣が出席する審議を両院で一日でやるということは、衆議院も参議院もフルタイムの審議にはなりません。衆議院で4時間、参議院で4時間みたいな配分になるのでしょうか。政府に対して何らかの問題を追及するには物足りない時間のように思えます。私はてっきり衆参で1日ずつやるのかと思っていました。

 野党の状況は厳しいようです。

第203回臨時国会のスケジュール実績
第203回臨時国会のスケジュール実績

学術会議の話題がなかったかのような与党ペース:第203回国会


 2020年11月15日現在。

 先週の国会では、各委員会で法案が審議入りしました。法案の審議状況は、記事の下にカレンダーとして載せています。カレンダーに載っているのは法案審議した委員会だけですが、他にいろいろな委員会が開かれています。

 先の国会で少し話題になった種苗法改正案の審議は、特に揉めることなく進んでいるようです。問題なく可決・成立する審議ペースのようにみえます。

 国会運営は今のところ与党ペースのようです。予算委員会では学術会議のメンバーの任命に関する件が注目を集めていたようですが、先週の動きをみるに野党はその問題で国会を止めることはできなかったのでしょう。野党がいけると思ったなら、学術会議に関する件で政府が新たな対応をするまで国会を止めたはずだからです。

第203回臨時国会のスケジュール実績
第203回臨時国会のスケジュール実績

今週から法案審議が始まる:第203回国会


 2020年11月8日現在。先週の国会では、衆参の予算委員会で総理大臣とすべての閣僚が出席する基本的質疑が行われました。菅総理は、自身が総理大臣となって初めての一問一答形式の質疑にのぞみました。

 今週からは法案審議が始まります。報道によると、11月10日に新型コロナウイルスのワクチン確保に関する内容の「予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案」の趣旨説明が衆議院本会議で行われる予定とのことです。この法案は、趣旨説明後に委員会に付託されて実質的が審議が始まることになります。

 また、NHKの記事によると、イギリスとの間で結んだ条約の承認を求める議案の趣旨説明を、11月12日に衆議院本会議で行うことを与党が提案しているとのことです。

 議案の審議は委員会で行うのが基本ですが、重要な内容の議案については本会議で趣旨説明と質疑をしてから委員会で審議を始めます。重要な内容のものは審議する委員会のメンバーだけでなく、すべての議員が聞いたほうがいいからです。

 他の法案としては、前の国会で成立を断念した種苗法改正案があります。この法案については、野党である立憲民主党の党内で賛否について対応が割れているとの報道があり、立憲民主党内での調整がついてから審議が始まることになるかもしれません。

第203回臨時国会のスケジュール実績と予想
第203回臨時国会のスケジュール実績と予想

いよいよ予算委員会:第203回国会


 2020年11月1日現在。

 先週の国会では、衆議院と参議院で菅総理大臣の所信表明演説に対する代表質問が行われました。代表質問は、質問する議員がすべての質問を述べきったあと答弁を要求された大臣が答える、お互いに一方通行な形式で行われます。

 明日から行われる予算委員会は一問一答形式で進みます。質問者は、相手の答えを聞いて質問の仕方を変えることができます。一方、答弁する側は、原則として質問されたことに答えなければならず、反論することは望ましくないとされています。つまり、お互いに平等に意見のやりとりをするような「議論」の形式ではありません。戦いの場を選べる質問者が圧倒的に有利です。

 衆議院予算委員会の野党側の代表者である筆頭理事は、国対委員長を務めていた辻元代議士です。辻元代議士は、2017年の衆議院総選挙後の特別国会で、所信表明演説なしで国会を2、3日で閉じそうになったところを、与党と交渉して1ヶ月以上の会期をもぎ取った実力者です。政界の経験も長く、自民党と社会党が連立政権を組んでいたときには、与党社会党の議員として自民党の議員と一緒になって時の政権を支えたこともあります。

 与党からするとなかなか手ごわい相手だと思いますが、与党経験がある人なので交渉はしやすいのではないでしょうか。実際、特別国会の会期を延長した際も、与党はただ譲歩しただけではなく、野党に法案審議に協力するよう要求して、当時の辻元国対委員長に約束を守らせています。

 このような国会の最前線の話が出てくるのが、辻元代議士の著書である『国対委員長』(集英社新書)です。この本には野党国対の勝利の数々が出てきています。もしかしたら、与党を支持する人や、野党を支持しない人は敬遠するかもしれません。

 しかし、見方を変えれば、選挙で過半数の議席を得ることに失敗した野党の勝利はすべて与党国対の譲歩によるものです。野党の戦績を示すことで、与党が何でもかんでも数の力でおしきっているわけではないことも明らかにしているのです。

 「野党議員が書いてるから」とか「野党の主張が書いてあるから」とかいう理由で読まないのはもったいないくらい面白いことがたくさん書いてあります。国会の中で何が行われているか興味がある人は、読んで損はありません。

第203回臨時国会のスケジュール
第203回臨時国会のスケジュール