廃案と継続審議の違い


2013年6月15日追記:この記事では、議決効力の不継続の点しか考慮していません。継続審議と廃案はやはり別物です。継続審議の意義に関する現在の見解は『廃案と継続審議の違い(決定版)』を御覧ください。

国会での法案の審議プロセスと時間について考えてきました。とりわけ、法案が会期末までに成立しない場合廃案になるという会期不継続の原則のもとで、法案が廃案になる場合と継続審議になる場合の違いについて調べてきました。現時点での考えを書いてみます。

■継続審議と廃案に違いはない?

衆議院で可決した法案が参議院で議決に至らず、継続審査の手続をとったとします。このとき、次の国会で可決したとしても、また衆議院で可決しなければ成立しません。ちなみに、この根拠となる法律が国会法83条の5(*1)なのだそうですが、あっさりしすぎていて私には解説がないと理解できません。この点を解説している本を探してます。

同一のケースで参議院で審議未了により廃案になったときは、継続審査した場合でさえ、次の国会で両院の議決が必要になるのですから、衆議院に法案を提出するところからやり直しなると考えたほうがよさそうです。

同一会期中に両院で可決しなければならないので、継続審査しようが廃案になろうが、どちらもかわりないように思えます。あとは、83条の5のケースで衆議院に法案が戻ってきたときに、衆議院でどのように対応するかにかかっています。そのときの対応が、再提出のものと異なれば、継続審査と廃案に若干の違いが出てきます。

■会期不継続の原則自体に強力な制約がある

継続審議と廃案の違いについて調べるために、国会の法案審議の手続について書かれた本を読んできました。読んできて思ったのは、廃案と継続審議の違いよりも、会期で一区切りつけられてしまう会期不継続の原則自体に相当な制約があるということです。

会期不継続の原則の存在と国会の会期が150日程度しかないことにより、限られた会期で成立しなかった法案はふりだしに戻り、成立を目指すにはまた最初からやり直さなければなりません。そのため、その法案が重要であればあるほど、ひとつの法案にかける時間が多くなり、その分他の法案の審議や、新しい法案の準備などの時間がなくなっていきます。

これは、政府・与党にとって相当な制約です。時間も、お金も、人的資源も使います。法案を否決しなくても、これだけのダメージを政府・与党に与えられるのですから、野党が審議拒否をしがちなのもわかります。

*1…国会法第83条の5 甲議院の送付案を、乙議院において継続審議し後の会期で議決したときは、第83条による。

コメントを残す