特別委員会設置数には上限がある?


■衆議院の特別委員会が廃止に

 2013年10月6日付読売新聞朝刊に「テロ特廃止へ」という小さい記事がありました。来週15日に召集予定の臨時国会で、与党は衆議院の海賊対処・テロ防止特別委員会を廃止する方針を決めたという内容です。これは、臨時国会で内閣安全保障会議設置関連法案や特定秘密保護法案を審議する特別委員会設置するための措置です。

■特別委員会の特徴

 そもそも特別委員会とはなんでしょうか。予算委員会や内閣委員会は、どの国会(通常国会、臨時国会)でも常に置かれている常任委員会です。この常任委員会とは別に、それぞれの国会ごとに設置されるのが、特別委員会です。特別委員会は、扱う内容も個別具体的な案件に特化していて、その案件を審議するために置かれます。

 特別委員会の特徴はいくつかあります。ひとつは、定例日がないことです。常任委員会では委員会を開く定例日が決まっていて、会期末や年度末など余程のことがないと定例日以外の日に委員会を開くことは難しい(野党が同意しない)です。でも、特別委員会なら定例日を設けずに連日審議をすることも可能です。

 この特徴を使って、内閣安全保障会議設置関連法案や特定秘密保護法案を審議する特別委員会を設置し、審議をスピードアップして国会の日程に余裕をもたせ、それぞれの法案を確実に成立させよう、というのが政府・与党の狙いです。

 もうひとつの特徴は、設置の自由度が高いことです。常任委員会の名称と数は国会法41条に定められていて、国会法を改正しなければ増やしたり改名したりできません。ですが、特別委員会については特に法律に定めがないので、自由にいくらでも設置することができます。

■実は制限がある

 特別委員会は設置数に制限がない、はずだったのですが、現状では制限があるようです。

 冒頭にあげた読売の記事には以下のような記述がありました。

国会の慣例で、衆院特別委の数は最大10とされ、新設には既存の特別委を廃止しなくてはならない

 どういう経緯があってこの慣例ができたのかわかりませんが、実際の運用上は衆議院の特別委員会は10までしか作れないことになっているようです。内閣安全保障会議設置関連法案や特定秘密保護法案を成立させるためには、テロ特を廃止して新しい特別委員会を作らなければならないわけです。ちなみに、特別委員会の廃止には手続きはいりません。すでに前の臨時国会の閉会と同時にすべての特別委員会が消滅しているからです。

 法律や規則だけ読んでいてもこういう慣例というものはわからないので、記事にしてもらえると大変ありがたいです。ただ、欲を言えば、どういう経緯でそういう慣例ができたのか、とか、なにか与野党の申し合わせ事項があるのか、とかそういうことも書いてくれると調べる手間がはぶけていいのですけどね。

 地道に調べるしかなさそうです。

■追記(2013年10月18日現在)

 2013年10月17日、衆議院本会議は、新しい特別委員会である「国家安全保障に関する特別委員会」の設置を自民・公明・民主・維新・みんな各党などの賛成多数で議決しました。既存の特別委員会の廃止はしなかったため、衆議院の特別委員会の数は11になりました。10月17日付読売新聞朝刊によると、衆議院の委員長ポストの配分をめぐる各党協議が難航したため、与党は、検討していたテロ特の廃止を見送ったそうです。

 どうも、衆議院の特別委員会の最大設置数を10とする慣例は、野党がこの慣例を理由にして新しい特別委員会の設置を拒むほど強いものではなかったようです。

    変更履歴

  • 2013年10月18日:タイトル末尾に「?」を追加
  • 2013年10月18日:「■追記」以下を追加

コメントを残す