大臣に対する出席要求の先例<参議院>・大臣出席と憲法違反1


■参議院委員会先例録によると

 先の通常国会で問題になり、参議院で安倍首相に対する問責決議が可決される原因にもなった、参議院予算委員会の出席要求を安倍内閣が拒否した件について調べています。

 先日、国会図書館に行き、議会官庁資料室で『参議院委員会先例録 平成10年版』を閲覧しました。委員会先例録の第七章に大臣の出席要求に関する記述がありました。

第七章 国務大臣及び政府委員等

二四八 国務大臣及び政府委員の出席要求は、委員長から直接これを行うのを例とする

国務大臣及び政府委員の出席要求は、成規の手続を省略して、委員長から直接これを行うのを例とするが、成規の手続により、議長を経由してこれを行った次のような例もある。

第十回国会電気通信委員会(昭和二十六年五月三十一日)において、電話設備負担臨時措置法案の審査に当たり、大蔵大臣池田勇人君の出席を求めることを議決し、議長を経由して文書をもって出席要求を行った。
その他同例がある。
(『参議院委員会先例録 平成10年版』 P.223)

 また、関連資料として『参議院委員会先例諸表 平成22年版』の表二十に「議長を経由した国務大臣等出席要求一覧表」があります。

 同表によれば、昭和31年(1956年)3月9日までに、成規の手続により議長を経由して国務大臣の出席要求を行った例は22例ありました。それ以降はなかったようです。表には出席要求に大臣が応じたかどうかまで書かれていました。必ずしもすべての要求に応じているわけではないようです。

 委員会先例録にある「成規」の意味がわからなかったので、調べてみます。成規とは「成文になった規則」のことだそうです。今回引用した箇所の「成規の手続」とは国会法71条のことを指すと思われます。

第七十一条  委員会は、議長を経由して内閣総理大臣その他の国務大臣並びに内閣官房副長官、副大臣及び大臣政務官並びに政府特別補佐人の出席を求めることができる。

 つまり、「成規の手続を省略して」というのは、「国会法71条の手続きを省略して」という意味になります。


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