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政府提出法案に賛成する共産、反対する維新と結い

■維新と結いだけが反対した「雇用保険法の一部を改正する法律案」

 2013年度末に成立した法案を見ていたら、ほとんど与野党ともに賛成しているなかで反対票が入っているものがいくつかありました。なかでも、「雇用保険法の一部を改正する法律案」は、参議院では日本維新の会と結いの党が反対していて、「おっ」と思いました。共産党や社民党、無所属の議員も賛成しているのに、なぜ維新と結いは反対したのでしょうか。

■育児休業給付、教育訓練給付、再就職手当の拡充などが内容

 「雇用保険法の一部を改正する法律案」はどのような内容なのでしょうか。厚生労働省のサイトの「第186回国会(常会)提出法律案」というページに、法案の概要が書かれたpdfがありました。概要によれば、この法案は育児休業給付の拡充と教育訓練給付の拡充、解雇や雇い止め等にあった人を支援する暫定措置を延長することなどを目的としています。

■反対する維新、賛成する共産

 2014年3月14日の衆議院厚生労働委員会の議事録では、「雇用保険法の一部を改正する法律案」に反対する維新と、賛成する日本共産党が討論しています。ここで「討論」というのは、議員が自分の会派を代表して法案に賛成か反対か述べるもので、議論するわけではありません。

 まず、日本維新の会の重徳議員の討論です。維新は、4つの理由でこの法案に反対だそうです。

さて、政府提出法律案に反対する第一の理由は、育児休業給付の拡充策の位置づけと効果が不明確であることです。

『第186回国会 厚生労働委員会 第5号(平成26年3月14日(金曜日))』

反対の第二の理由は、教育訓練給付の拡充策の効果が不明確であることです。

『第186回国会 厚生労働委員会 第5号(平成26年3月14日(金曜日))』

反対の第三の理由は、再就職手当の拡充策の効果が不明確であることです。

『第186回国会 厚生労働委員会 第5号(平成26年3月14日(金曜日))』

反対の第四の理由は、平成二十五年度までの暫定措置を三年間も延長することです。

『第186回国会 厚生労働委員会 第5号(平成26年3月14日(金曜日))』

なお、我々日本維新の会と結いの党は、先般、平成二十六年度当初予算について、効果が不明確な予算は削減し、真に必要な施策については拡充する予算修正案を提出いたしました。その修正案においても、本法案の育児休業給付の拡充部分及び暫定措置の延長部分に係る費用を削減していることもあわせて申し述べ、本案に対する私の反対討論といたします。

『第186回国会 厚生労働委員会 第5号(平成26年3月14日(金曜日))』

 「法案で示された対策は、目的を達成するという観点から役に立たない。無駄だからお金を使うのはやめなさい。」ということですね。

 対して、共産党の高橋議員の討論です。

私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となりました雇用保険法の一部を改正する法律案に対し、雇用保険制度が担う役割を一層拡充させる必要があるとの立場から一言申し上げます。

『第186回国会 厚生労働委員会 第5号(平成26年3月14日(金曜日))』

本法律案は、育児休業給付の給付率の引き上げや個別延長給付の暫定措置の延長など、必要な措置が盛り込まれており、賛成するものです。また、法改正に関連して、特定受給資格者の基準のうち、時間外労働、過重労働に関する要件を緩和し、長時間労働を強いられた結果、離職せざるを得なかった場合などを従前よりも幅広く認めるようにすることは、評価できる内容です。

『第186回国会 厚生労働委員会 第5号(平成26年3月14日(金曜日))』

 一応法案に賛成していますが、「まだまだ手ぬるいので、もっと失業給付や再就職支援にお金を使うべきだ。」と言っています。こういう賛成討論もあるんですね。

日付に注目 日切れ法案の見分け方

■日切れ法案の審議始まる

 2014年3月8日現在。昨日7日から、衆議院では日切れ法案の審議が始まっています日切れ法案を見分けるには、改正案の日付の記載を確認します

 以下は、7日の民主党の松原国対委員長の発言です。

「(衆院では)本日からいくつかの委員会で日切れ法案(年度末で失効する時限立法の期限を延長する法案など)等の審議に入っていく。しっかりと質疑時間を確保し、充実した審議を求めていく」

『厚労省の不正入札疑惑について真相を追及していく 記者会見で松原国対委員長 – 民主党』

■日切れ法案の見分け方

 松原国対委員長は「日切れ法案」と言っています。7日に衆議院で審議された法案は以下のとおりです。

  • 法務委員会「裁判所職員定員法の一部を改正する法律案」
  • 外務委員会「在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案」
  • 厚生労働委員会「雇用保険法の一部を改正する法律案」

 一体どれが日切れ法案なのでしょうか改正案に日付の記載があるか確認してみます。 

 いずれも、「この法律は、平成二十六年四月一日から施行する。」という文言が入っていますが、それだけでは日切れ法案になるとは限らないそうです(竹中治堅監修『議会用語事典』(学陽書房)P.170)。

 ただ、「雇用保険法の一部を改正する法律案」は、改正案に「附則第四条、第五条第一項及び第十条中「平成二十六年三月三十一日」を「平成二十九年三月三十一日」に改める。」というものがあります。改める日付は、暫定措置の期限です。改正案が年度内に通らないと、暫定措置は4月1日からなくなってしまいます

 このことから、「雇用保険法の一部を改正する法律案」は確実に日切れ法案であると言えます。また、他の2法案も、公務員の定員や給与に関する定めなので、4月1日から施行されることが期待されているのは間違いありません。

 よって、7日に審議された法案はいずれも日切れ法案であると考えます。

なぜ、継続審査になった法案が公報に掲載されているのか

 2014年2月22日現在。昨日は衆議院予算委員会の地方公聴会が行われました。インターネット中継されなかったようなので、現時点で審議時間は不明です。

 今週の衆議院は、予算委員会以外の委員会も開かれました。委員会審査の最初の一歩である、所管大臣の所信表明聴取とその質疑を行うためです。早いうちにこれをやっておかないと、本予算が衆議院を通過して、いざ法案審議!となったときに2日分時間を取られてしまいます。

 ところで、この委員会の開会を知らせる衆議院公報についてわからないことがありました。結果的には大臣の所信表明を聴いただけのようなのですが、当日の議題としてずらずらと法案の名前が挙がっていました。衆議院のサイトの「法律案等審査経過概要」で確認したところ、どうもその委員会で継続審査になったものが議題として掲載されているようです。

 どういう必要があって掲載されているのか、気になります。

政府法案の提出期限は3月14日?

 2014年2月12日現在。本日は衆議院予算委員会で、首相とすべての大臣が出席する基本的質疑の2日目です。

 今朝の読売朝刊に気になるところがありました。教育委員会制度改革について、政府と与党の考えに溝があるため、協議が進んでいないという記事です。その中に、「政府法案の事実上の提出期限となる3月14日までの閣議決定は、難しい情勢となってきた。」というものがありました。

 なぜ、3月14日が政府法案の事実上の提出期限なのかがよくわかりません。3月14日は金曜日です。金曜日というと閣議の定例日です。閣議は、火曜日と金曜日が定例日になっています。それくらいしか、3月14日に関して思うところはありません。

 記事の本文をさらっと確認した限りでは、3月14日の理由が書いてなかったように見えました。私が見落としたのでしょうか。それとも常識なのでしょうか。ともかく、調べてみないとわかりません。

2014年2月 予算審議実績と予想
26 27 28
衆代表質問1
29
衆代表質問2
参代表質問1
30
参代表質問2
衆参予算提案理由説明
31
衆補正1
1
2

3
衆補正2
4
衆補正3
衆議院通過
5
参補正1
6
参補正2採決
7
参予集中審議
8
9

 

10
衆本予算1
11

12
衆本予算2
13
衆本予算3
14
衆本予算4
15
16

 

17
衆本予算5

18
衆本予算6
19
衆本予算7
20
衆本予算8
21
衆本予算9
22
G20
 
23
G20
 
24
衆本予算10
25
衆本予算11
26
衆本予算12
27
衆本予算13
28
衆本予算14
 

 

2014年3月 予算審議予想
        1

2

3
衆本予算15
4
衆本予算16
5
衆本予算17
6
衆本予算18
採決
7
参本予算1
8
9

 

10
参本予算2
11
参本予算3
12
参本予算4
13
参本予算5
14
参本予算6
15
16

 

17
参本予算7

18
参本予算8
19
参本予算9
20
参本予算10
21 22

 

23

 

24
参本予算11
25
参本予算12
26
参本予算13
採決
27 28 29
30

 

31        

*この表の前提:1.衆議院の審議は前年度と同じく18日程度行われる。2.参議院の審議は衆議院の7掛けの13日程度行われる。3.平日はすべて審議する。4.予算案の委員会の採決日は両院の本会議定例日で、その日のうちに本会議で緊急上程される。

後議の院の審議は短くなる-第185回国会会期末

 2013年12月8日現在。12月6日に会期が2日間延長されたため、本日が第185回国会の会期末となります。

 特定秘密保護法案の審議は見どころがありました。与党と民主党で委員長の解任決議案をお互いに出しあったりとか、すごいです。だって、与党の解任決議案は数から言ってほぼ確実に成立しちゃうんですから、すごいとしか言いようがありません。

 他にも、民主党が本会議での法案の採決を時間がかかる記名投票にして国家安全保障特別委員会の公聴会の開会を翌日にずらそうとしました。しかし、すかさず与党が本会議の休憩動議を出して、採決自体を先送りし、採決よりも公聴会を先にしました。かなり面白かったのですが、あんまり面白がっていると「見世物じゃないぞ!」と怒られそうな気もします。でも、そういうのが好きなのです。

 民主党などの野党が特定秘密保護法案の成立阻止のために使った武器にどのようなものがあったのかは、また少しずつ調べて書いていきたいと思っています。

 さて、予想通り特定秘密保護法案が注目をあびているあいだに、様々な内閣提出法案が難なく成立していきました。このブログでは厚生労働委員会の動きを追っていました。最終週の、衆議院と参議院の厚生労働委員会の日程は以下のようになりました。

衆参厚生労働委員会日程(#185最終週)


12/2(月) 12/3(火) 12/4(水)
定例日
12/5(木) 12/6(金)
定例日
12/7(土) 12/8(日)
会期末
    生活(可決)   中国残留邦人
(可決)
がん登録推進
(可決)
請願の審査等
   


12/2(月) 12/3(火)
定例日
12/4(水) 12/5(木)
定例日
12/6(金) 12/7(土) 12/8(日)
会期末
プログラム
(参考人質疑)
プログラム
(質疑終局)
薬事
(趣旨説明)
中国残留邦人
(可決)
がん登録推進
(可決)
  プログラム
(可決)
薬事
(可決)
請願の審査等    

 社会保障プログラム法案、インターネットでの薬販売を解禁する薬事法改正案、生活保護法改正案など、懸案とされていた内閣提出法案はすべて委員会で可決され、本会議でも可決、成立しました。会期内の定例日を使い尽くす、無駄のないスケジュールになっています。

 生活保護法改正案や薬事法などは、先議の院の審議回数より1回少ない2回で採決されています。先議の院よりも、後議の院の方が審議時間が短くなる傾向があるみたいですね。2013年12月5日21時44分付の時事ドットコムの記事によれば、「参院は衆院の「7掛け」が通例とされる」そうです。参議院に限らず、後に審議する方が時間が短くなる傾向にあるのは間違いなさそうです。

参議院厚生労働委員会1日4法案審議(うち2法案可決)

 2013年12月4日現在。12月2日、参議院議院運営委員会は、9法案を本会議での趣旨説明を省略して各委員会に付託することを決定しました。付託された法案のなかには、民主党をはじめとする野党が本会議での趣旨説明を求めていた内閣提出法案がありました。このため野党は「委員長の議事運営が強引だ」として自民党の岩城光英議院運営委員長の解任決議案を提出しています。

 参議院厚生労働委員会にも12月2日に付託された法案はありました。まず、インターネットでの薬販売を解禁する薬事法改正案です。薬事法改正案は、12月3日に厚生労働委員会で趣旨説明(衆議院で言う「提案理由説明」)を終えています。

 次に、いずれも参議院議員発議である、「中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の一部を改正する法律案」と「がん登録等の推進に関する法律案」です。こちらも12月3日同時に審議され、与野党の賛成で可決しています。

 ちなみに民主党は欠席でした。12月2日の9法案付託に反発して厚生労働委員会などの4つの委員会に欠席したということです。与野党で争いがない法案の可決に加わらないで、民主党にはどのようなメリットがあったのでしょうか。気になります。

 これで、衆参の厚生労働委員会の状況は以下のようになります。

衆参厚生労働委員会日程予想


12/2(月) 12/3(火) 12/4(水)
定例日
12/5(木) 12/6(金)
定例日
会期末
    生活   生活
(採決?)


12/2(月) 12/3(火)
定例日
12/4(水) 12/5(木)
定例日
12/6(金)
会期末
プログラム
(参考人質疑)
プログラム
(質疑終局)
薬事
(趣旨説明)
中国残留邦人
(可決)
がん登録推進
(可決)
  プログラム
(採決?)
薬事
 

 会期末の12月6日を使えば、薬事法改正案(衆議院での審議実績は3回)も余裕で成立しそうです。また、衆議院の厚生労働委員会の日程には余裕があるので、12月3日に可決した中国残留邦人自立支援法案とがん登録推進法案も成立しそうです。

 それにしても、いくら与野党で争いがない法案とはいえ、1日で可決されるのはすごいですね。会期末の参議院の委員会では、1日に4法案の審議ができるということがわかりました。

11月25日週と12月2日週の厚生労働委員会の実績と予測

 2013年12月1日現在。11月25日週と12月2日週の厚生労働委員会の実績と予測をまとめました。(下の表からは土日は除いています)



11/25(月) 11/26(火) 11/27(水)
定例日
11/28(木) 11/29(金)
定例日
12/2(月) 12/3(火) 12/4(水)
定例日
12/5(木) 12/6(金)
定例日
会期末
    薬事
(可決)
  生活
(提案理由説明)
    生活   生活
(採決?)


11/25(月) 11/26(火)
定例日
11/27(水) 11/28(木)
定例日
11/29(金) 12/2(月) 12/3(火)
定例日
12/4(水) 12/5(木)
定例日
12/6(金)
会期末
  プログラム
(提案理由説明)
  プログラム   プログラム
(参考人質疑)
プログラム   プログラム
(採決?)
 

 社会保障プログラム法案の参議院審議は、定例日外の12月2日に参考人質疑を行うことになっています。これで、他に定例日外の審議をしないとしても、会期末である12月6日までの審議実績は5回になります。衆議院の実績は6回なので、参議院の審議時間の相場が衆議院より若干短い場合は、採決までいく可能性があります。

 生活保護法改正案と生活困窮者自立支援法案は、参議院の審議実績をふまえるとあと2回で採決できます。野党各党の力が特定秘密保護法案に集中しているので、今国会中の成立は間違いないでしょう。

 この表をつくるために、衆議院参議院のサイトの情報を使いました。具体的には、衆議院は衆議院公報と委員会ニュースを、参議院は参議院公報と委員会経過を使いました。

 ところで、参議院は当日中に参議院公報を出してくれるのですが、衆議院は1日遅れとなっています。例えば、12月1日時点で衆議院のサイトで出ているのは、11月28日の衆議院公報です。そこで、衆議院の最新情報を得るために衆議院インターネット審議中継の情報も使いました。インターネット審議中継は、審議が行われたその日の審議中継が公開されているからです。

法案審議のスケジュール感ー生活保護法に注目

 2013年11月24日現在。先週中に成立すると予想していた「生活保護法改正案」と「生活困窮者自立支援法案」は、まだ成立していません。成立どころか、衆議院でまだ審議されていません。審議の前提となる委員会付託すら行われていない状態です。

 先週の衆議院厚生労働委員会は、インターネットでの薬販売について定めた「薬事法及び薬剤師法の一部を改正する法律案」を審議していました。てっきり、先々週に「社会保障プログラム法案」を衆議院厚生労働委員会で強行採決したのは、生活保護法と生活困窮者法を審議するためかと思っていましたが、どうも薬事法を早く審議するためだったようです。

 スケジュールを考えると、生活保護法と自立支援法の審議を後回しにするのは、合理的な判断です。いまのところ、衆参の厚生労働関係を所管する委員会のスケジュールは以下のようになっています。(薬事2が先週衆議院で審議していた法案。薬事1は先に提出され、すでに成立した薬事法などの改正案。)

  定例日1
(11/18週)
定例日2
(11/18週)
定例日3
(11/25週)
定例日4
(11/25週)
定例日5
(12/2週)
定例日6
(12/2週)
会期末
衆議院 薬事2
(提案理由説明)
薬事2 薬事2
(採決?)
生活
(提案理由説明?)
生活 生活
(採決?)
参議院 薬事1(可決)
再生医療(可決)
休み プログラム プログラム プログラム プログラム
(採決or継続審査or審議未了)

 参議院の審議実績を踏まえると、生活保護法と自立支援法は衆議院の定例日4,5,6を使えば成立します。その上、薬事法を参院に送付することができ、今国会中の成立の目が残ります。最悪、参院に送付してから継続審査にすれば、次の国会で参院で可決したあと衆議院で審議する時、「一回可決したんだから」ということで衆議院での可決までの時間を大幅に短縮することができます。

 もし、生活保護法と自立支援法を衆議院で先に審議すると、今度は以下のようなスケジュールになります。

  定例日1
(11/18週)
定例日2
(11/18週)
定例日3
(11/25週)
定例日4
(11/25週)
定例日5
(12/2週)
定例日6
(12/2週)
会期末
衆議院 生活
(提案理由説明?)
生活 生活
(採決?)
薬事2
(提案理由説明?)
薬事2 薬事2
(採決?)
参議院 薬事1(可決)
再生医療(可決)
休み プログラム プログラム プログラム プログラム
(採決or継続審査or廃案)

 ご覧のとおり、衆議院が薬事法を採決するのは会期末になってやっととなり、よほど強引な国会運営をしなければ、今国会での成立は時間的に不可能になります。

 これは、生活保護法と自立支援法で使う3マス分をどこで埋めれば一番効率がいいかを考えるパズルです。公務員試験で、判断推理という論理パズルの問題が必ず課されるのは、法案審議のスケジュールを考える力を養うためかもしれません。

 ちなみに、プログラム法案は衆議院で6回の審議実績があります。うち1回は定例日外に参考人質疑を行ったので、単純に定例日のみで考えることはできないかもしれませんが、審議時間が足らないようにみえます。また、薬事法を成立させるためには、薬事法の審議時間もねじ込まないといけません。かなり厳しいスケジュールです。

 薬事法とプログラム法案ともに、継続審査になる可能性があります。

生活保護法改正案と生活困窮者自立支援法案は順調に審議中

 2013年11月10日現在。注目していた参議院先議の「生活保護法の一部を改正する法律案」、「生活困窮者自立支援法案」は、あっさり厚生労働委員会付託されました。2013年11月5日、参議院議院運営委員会は、生活保護法改正案と生活困窮者自立支援法案を本会議で趣旨説明を聴取することなく法案を付託することを与党の賛成多数で決議したのです。

 法案が可決するまでにはだいたい5つの段階があります。

  1. 本会議での趣旨説明
  2. 委員会での趣旨説明・提案理由説明
  3. 質疑
  4. 討論
  5. 採決

 今回、生活保護法改正案と生活困窮者自立支援法案は1をすっ飛ばして、すでに3に入っています。

 日本共産党は生活保護法改正案に反対のようです。夏の参議院選挙で躍進した共産党が議院運営委員会でこの2法案に対してなんらかのアクションを起こすのではないかと思っていたので、なんとなく拍子抜けの感があります。

 共産党にとって、生活保護法改正案反対よりも特定秘密保護法案反対の方が大切だから特に何もしなかったのでしょうか。それとも、何かしたかったけどその力がなかったのでしょうか。どちらにせよ、国会は完全に政府・与党ペースで進んでいます。新しい国会の流れを考えるときに、共産党の働きを重視していた私の見方は外れたようです。

 ただ、議運委の会議録を読んだところ、11月5日に議運委が立てられたのは委員長の職権で急に決まったようです。この日の委員会で民主党の小見山幸治議員が与党の強引な国会運営を批判しています。付託も全会一致でなく採決だったので、円満な国会運営とは言えないかもしれません。

 共産党をはじめ、野党の目が完全に特定秘密保護法案に向いているので、他の法案は特に波乱なく成立していくのではないでしょうか。このペースでいくと、生活保護法改正案と生活困窮者自立支援法案は来週中に参議院を通過し、再来週にも成立するでしょう。

冒頭国会の流れと参議院先議、そして共産党

■秋の臨時国会召集

 2013年10月20日現在。10月15日に臨時国会が召集されました。召集後の国会の流れは以下のようになります。

  1. 議席の指定
  2. 会期の議決(今回は10月15日から12月6日までの53日間)
  3. 常任委員長人事(委員長辞任の許可と、新委員長の指名)
  4. 特別委員会の設置
  5. 首相の所信表明演説
  6. 所信表明演説に対する各党代表質問(2日間)

 だいたいここまでで4日ほどかかります。しかし、今回衆議院では3日で終わっています。本来なら所信表演説のあと1日空けてから代表質問に入るのですが、今回は演説の翌日に代表質問に入っているためです。53日の会期をフルに使って法案を処理していきたいという、内閣の意気込みがうかがえます。

 すでに安倍首相の所信表明演説と、所信表明に対する各党の代表質問の日程は消化済みで、明日からは予算委員会で全閣僚が出席する基本的質疑が行われる予定です。衆参で2日ずつ行われる、与党議員・野党議員の序盤最大の見せ場です。

■参議院先議の法案

 予算委員会の基本的質疑が終わると、各委員会で法案の実質的審議が始まります。先週提出された内閣提出法案のなかに、参議院先議のものが2つありました。「生活保護法の一部を改正する法律案」と「生活困窮者自立支援法案」です。

 参議院先議にするメリットは、審議時間の短縮がはかれることです。法案を衆議院から参議院に送るだけでは、衆議院で審議している間、参議院は暇になってしまいます。衆議院で審議している間に、参議院で別の法案の審議を進めることができれば、法案の提出から成立までの時間を短縮できます。

■日本共産党はどう動くか

 このことから、政府・与党は「生活保護法の一部を改正する法律案」と「生活困窮者自立支援法案」を確実に今国会中に成立させるつもりであることがわかります。ただ、この2法案はまだ委員会に付託されていないので、場合によっては、本会議の趣旨説明から始まる、一番長い審議をするコースになる可能性もあるかもしれません。先の参議院選で勢力を増やした日本共産党の動向がキーになるでしょう。

 勢力を増やした共産党は、参議院の議院運営委員会に理事を出せるようになりました。議院運営委員会は議院の運営を取り仕切る重要な委員会です。そして、理事会は委員会の運営を決めます。理事会の決定は理事の全員一致が原則なので、共産党は国会運営に対して大きなテコを手に入れたと言えます。

 今までと違い、共産党の動きは国会運営に影響を与えます。「生活保護法の一部を改正する法律案」と「生活困窮者自立支援法案」の審議がどのように推移するかで、共産党の実力が試されるでしょう。