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2014年度予算案、衆議院予算委員会審議実績まとめ


 2014年3月2日現在。2014年度予算案の衆議院予算委員会での審議実績をデータで振り返ってみましょう。

    衆議院予算委員会 2014年度予算案審議実績

  • 基本的質疑:3回
  • 一般質疑:3回
  • 集中審議:4回
  • 地方公聴会:1回
  • 中央公聴会:1回
  • 分科会:1回
  • 締めくくり質疑、討論、採決:1回
  • 予算委員会開催回数:14回
  • 基本的質疑・一般質疑・集中審議・締めくくり質疑の総質疑時間:70時間
  • 総質疑時間にしめる集中審議の比率:40%(28時間/70時間)

 2014年3月1日付読売新聞朝刊によれば、予算委員会開催回数は、予算審議が現在の形式になった2000年とならび最短です。

 また、同じく読売新聞によれば、基本的質疑・一般質疑・集中審議・締めくくり質疑の総質疑時間は、現制度になって3番めに短いものになりました。ちなみに、最短は2007年(第一次安倍内閣)の66時間30分(15日間)。次点は2010年(鳩山内閣)の69時間10分(17日間)。

 ただ、総質疑時間にしめる集中審議の比率は40%と、昨年の46%に続き依然として高いです(2013年4月11日付読売新聞朝刊によれば、2009年は23%(16時間55分)、2010年は24%(16時間30分)、2011年は29%(24時間30分)、2012年は38%(34時間))。
201402予算審議実績


内閣改造の報道が出たのは、与党議員に国会運営を頑張らせるため


■2014年度予算案、衆議院通過

 2014年3月1日現在。予算案のスピード可決は、国会で野党との折衝をしている与党議員に多大な負担を与えているのではないでしょうか。先月末から内閣改造(大臣の交代)が取り沙汰されているのは、国会の日程調整に関わっている与党議員のやる気を出すために官邸から出た情報だと思っています。

 昨日、2月28日に2014年度予算案が衆議院本会議で可決されました。予算案は参議院に送付され、憲法の規定により2013年度内に成立することが確実になりました。歳出総額は95兆8823億円で、昨年の92兆6115億円から3兆2708億円増えました。伸び率にして3.5%の増加です。

■政府の日程で、予算審議が窮屈に

 安倍首相の外遊を優先したこともあり、今国会の開会は1月末にずれ込みました。今年の予算審議が14日間という異例の短さになったのは、国会の開会が遅れたにも関わらず2月末の衆議院通過を目指したことが原因のひとつです。

 政府の都合でスケジュールが厳しくなって、与党が汗をかいて間に合わせている格好です。国会審議の現場の議員には、かなりストレスがたまっているのではないでしょうか。昨年の臨時国会で成立した、特定秘密法案の審議も同じような形で審議スケジュールが厳しくなっていて、与党から政府に注文がついています。

■内閣改造で不満を抑える

 その不満を抑えるための内閣改造です。今国会で頑張って政府案をスケジュール通り成立させれば、大臣になれるかもしれないのです。頑張りがいがあります。

 政界ものの読み物で、内閣改造が首相の切り札のひとつのように描かれていた意味がやっとわかってきました。いままでは、経験と知識を蓄積するためになるべく大臣を交代させないほうがいいんじゃないかと思っていたんですよね。

 ですが、大臣だけで行政が動くわけではなく、行政だけで政治が動くわけではありません。国会を通さなければいけないのです。その国会で頑張る議員を処遇するためには、内閣改造が必要なのです。


維新と結いの採決容認で、予算案の強行採決は回避される見込み


■28日予算案採決決定

 2014年2月28日現在。昨日の衆議院予算委員会理事会で、本日28日に2014年度予算案を採決することを二階予算委員長が職権で決めました。ただ、日本維新の会と結いの党が採決を容認したため、「強行採決」とはならない模様です。

■維新と結いが採決容認に転じた

 以下、時事通信の報道の引用です。

日本維新の会と結いの党は27日に修正案を共同提出。与党側が28日の締めくくり質疑で政府案と修正案を同時審議することを認めたため、採決日程を容認した。
時事ドットコム『14年度予算案、年度内成立へ=28日に衆院通過』2014/02/27-19:46

 与党はうまいことを考えたものです。野党提出案が審議されることは悪いことではないですから、形だけであれ国会審議の充実につながります。

 それにしても、3日前に維新や結いを含む野党7党の国対委員長が28日の予算案採決反対で一致したばかりだったのですが、あっさりと野党の共闘体制は崩れてしまいました。衆議院において、維新と結いの議席数は野党一党の民主党の議席数を上回ります。合流が噂されている維新と結いの採決容認は、事実上の野党第一党が採決を容認したのに近いインパクトがあります。これでは、強行採決とは呼べません。

 やはり、野党勢力が拮抗している衆議院では、野党内での主導権争いのためか、共闘しづらいのかもしれません。

■審議時間は昨年より10時間程度少なくなる

 本日は8:25から予算委員会が予定されています。また、14:00から本会議が予定されています。このスケジュールだと、今日の予算審議は4時間程度になるのでしょうか。公聴会と分科会を除いた衆議院の本予算の総審議時間は、およそ70時間程度になると思われます。昨年より、10時間ほど少なくなります。 20140228 予算審議衆院


2014年度予算案、いつ採決されてもおかしくない


2014年2月27日現在。与党は、明日28日に2014年度予算案の採決をすることを目指していると報道されています。野党も28日の採決に反対しています。

28日が注目されているなか、もし、今日予算案が採決されたら驚きです。

2月は今日と明日しかない以上、何があってもおかしくありません。

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野党は2月28日採決反対で一致、正常な採決は難しい見通し


■野党は月末採決に反対

 2014年2月26日現在。昨日の衆議院予算委員会は中央公聴会が開催されました。公聴会はおよそ6時間ほど行われました。

 また、昨日は野党7党の国会対策委員長が会談し、与党が目指す予算案の2月28日採決に反対することで一致しました。与党が目指す採決予定日まで、あと3日というところで与党対野党の構図が鮮明になりました。強行採決は避けられないのではないかと思います。

 NHK NEWSWEBによると、野党7党の内訳は「民主党、日本維新の会、みんなの党、共産党、結いの党、生活の党、社民党(NHK NEWSWEB『野党 予算案の28日衆院通過反対で一致』2月25日 22時02分)」ということなので、ほぼ全野党です

■与党のみで採決を決めると強行採決に

 委員会で採決するには、原則として理事会で採決することを決定しなければなりません。そして、理事会の決定は原則、全会一致です。多数決になったり、委員長の職権で決めたりするような場合は採決を強行することになるため、「強行採決」となります。また、理事会で諮らずに、委員会で質疑している最中に質疑を終局する動議を提出し、不意打ちで採決する場合もあります。

スクリーンショット 2014 02 25 07 30 26


2014年度予算案、強行採決か?


 2014年2月25日現在。昨日の衆議院予算委員会では、首相出席の集中審議が行われました。審議時間はおよそ7時間でした。本日は、中央公聴会が開催される予定です。

 今後の予定ですが、衆議院予算委員会は分科会の開催を決定しています。分科会も、例年採決の前に行われているものです。与党は2月28日採決に向けて、着々と手を打っています。

 ただ、昨日の予算委員会で分科会設置を議題にすることは、予算委員長の職権で決められたということなので、与野党合意のものではないようです。もしかしたら、予算案の採決も、与野党の合意なしに採決する強行採決になるかもしれません。 スクリーンショット 2014 02 25 07 30 26


2/28に採決すれば与党の勝ち、それを阻止すれば野党の勝ち


 2014年2月23日現在。今週の2014年度予案の審議は、2月28日の衆議院通過を目指す与党と、それを阻止せんとする野党の戦いになると思われます。戦いといっても、予算委員会で議論が戦わされるのではありません。そういう表の戦いではなく、日程を決める裏の戦いです。

 与党は、2014年度予算案が年度内に確実に成立して4月1日から執行できるよう、今月末28日の衆議院通過を目指しています。予算案が2月28日に通過すれば、参議院の予算審議が遅れて3月31日までに採決できなくなっても、憲法の規定により衆議院の議決だけで予算を成立させることができるからです。

 一方、野党は「28日採決では、例年より審議時間が短い。例年通り80時間以上審議すべきだ」と、28日採決に反対しています。確かに、今週までの予算審議時間は、およそ52時間です。一日あたり最大7時間程度審議するとしても、28日いっぱいまで審議して80時間になるかならないかというところです(7時間×4日(公聴会を除く))。

 早ければ明日には趨勢が決まると思うので、報道を注目していきたいです。


日程予想に手応え


 2014年2月21日現在。昨日の衆議院予算委員会は、首相が出席する集中審議が行われました。審議時間は、およそ7時間でした。今日は、地方公聴会が行われる予定です。

 2014年度予算の審議日程を予想したカレンダーを作成しています。毎回、記事の下にのせているものです。予算案の衆議院通過は3月になると予想していましたが、その通りになるかどうかは微妙なところです。政府・与党の思惑通り進めば、今月末に衆議院を通過する可能性があるからです。

 ただ、平日はすべて予算審議を行うところなど、予想があたってるところも出てきたので、手応えは感じています。

 予想するのに必要な知識を、いつかまとめたいです。

2014年2月 予算審議実績と予想
26 27 28
衆代表質問1
29
衆代表質問2
参代表質問1
30
参代表質問2
衆参予算提案理由説明
31
衆補正1
1
2

3
衆補正2
4
衆補正3
衆議院通過
5
参補正1
6
参補正2採決
7
参予集中審議
8
9

 

10
衆本予算1
7時間11分
11

12
衆本予算2
7時間14分
13
衆本予算3
7時間16分
14
衆本予算4
5時間21分
15
16

 

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衆本予算5
7時間13分
18
衆本予算6
5時間40分
19
衆本予算7
7時間15分
20
衆本予算8
7時間24分
21
衆本予算9
地方公聴会
22
G20
 
23
G20
 
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衆本予算10
25
衆本予算11
中央公聴会
26
衆本予算12
27
衆本予算13
28
衆本予算14
 

 

2014年3月 予算審議予想
        1

2

3
衆本予算15
4
衆本予算16
5
衆本予算17
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衆本予算18
採決
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参本予算1
8
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参本予算2
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参本予算3
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参本予算4
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参本予算5
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参本予算6
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参本予算7

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参本予算8
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参本予算9
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参本予算10
21 22

 

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参本予算11
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参本予算12
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参本予算13
採決
27 28 29
30

 

31        

*この表の前提:1.衆議院の審議は前年度と同じく18日程度行われる。2.参議院の審議は衆議院の7掛けの13日程度行われる。3.平日はすべて審議する。4.予算案の委員会の採決日は両院の本会議定例日で、その日のうちに本会議で緊急上程される。


2000年の衆議院の本予算審議は異例


 2014年2月20日現在。本日の衆議院予算委員会は、首相が出席する集中審議が行われます。また、昨日は一般的質疑があり、審議時間はおよそ7時間でした。

 衆議院予算委員会の中央公聴会の25日開催が決まり、政府・与党は2014年度予算案を今月28日に衆議院通過させることに全力をあげています。

 今朝の読売朝刊によると、「28日に通過すれば実質審議入りから14日間で、00年以来14年ぶりのスピード審議となる。」とのことです。衆議院での予算審議が14日間で終わった実績はあるようですね。2000年というと、当時の総理大臣は小渕恵三さんです。与党は自民党・自由党・公明党。

 調べてみると、この年の通常国会はすごいですね。1月20日(木)に召集され、政府四演説が一週間先の1月28日(金)。2月1日(火)に衆議院予算委員会で本予算の提案理由説明が行われましたが、野党(民主党・共産党・社民党)の審議拒否にあっています。

 実質審議入りした2月3日(木)の基本的質疑も依然、野党欠席のまま進んでいます。審議拒否は、4日、7日と続き、14日に野党が出席しています。ここまで、予算委員会の開催日の間隔もあいていますし、相当異例な感じです。衆議院通過は2月29日(火)でした。

 2000年の予算審議はかなり異例だったようです。

2014年2月 予算審議実績と予想
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衆代表質問1
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衆代表質問2
参代表質問1
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参代表質問2
衆参予算提案理由説明
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衆補正1
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衆補正3
衆議院通過
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参補正1
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衆本予算1
7時間11分
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衆本予算2
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衆本予算3
7時間16分
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衆本予算4
5時間21分
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衆本予算5
7時間13分
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衆本予算6
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衆本予算7
7時間15分
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衆本予算8
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地方公聴会
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G20
 
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G20
 
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衆本予算10
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衆本予算11
中央公聴会
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衆本予算13
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衆本予算14
 

 

2014年3月 予算審議予想
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採決
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採決
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*この表の前提:1.衆議院の審議は前年度と同じく18日程度行われる。2.参議院の審議は衆議院の7掛けの13日程度行われる。3.平日はすべて審議する。4.予算案の委員会の採決日は両院の本会議定例日で、その日のうちに本会議で緊急上程される。


共産党、2月25日の中央公聴会開催に賛成


 2014年2月19日現在。昨日は衆議院予算委員会で一般的質疑が行われました。審議時間はおよそ5時間30分でした。

 一般的質疑の後、中央公聴会を25日開催することが議決されました。賛成したのは与党と、共産党です。

 この中央公聴会は予算案の採決の前提となると言われています。中央公聴会をやらない限り、予算案が採決されることはない、ということです。事実、昨年は衆議院予算委員会の中央公聴会の3営業日後に予算案が採決され、衆議院を通過しています。

 これで、与党としては2月末までの2014年度予算案の衆議院通過、ひいては年度内の予算案成立の道が開かれたことになります。

 25日の中央公聴会開催は、政治の日程闘争上は与党有利のものですが、なぜ共産党は賛成したのでしょうか。以下、時事ドットコムからの引用です。

共産党は「採決とセットとは考えておらず、公聴会は国民の声を聞く場だ」として賛成した。 
時事ドットコム『25日の公聴会議決=衆院予算委』2014/02/18-19:32

 共産党としては、「中央公聴会開催が採決の最終関門になるというような日程闘争には組しない。国民の声を聞く機会は尊重すべきで、反対する理由がない」という主張のようです。確かに、中央公聴会で意見を述べる公述人は、官報で公募されます。一応、国民の声を聴く体制は整っています。

 なんというか、正論としかいいようがありません。よく揶揄される「なんでも反対共産党」ではないということですね。

2014年2月 予算審議実績と予想
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衆代表質問1
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参代表質問1
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参代表質問2
衆参予算提案理由説明
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衆補正1
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衆議院通過
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地方公聴会
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衆本予算10
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中央公聴会
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2014年3月 予算審議予想
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衆本予算15
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採決
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参本予算12
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採決
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*この表の前提:1.衆議院の審議は前年度と同じく18日程度行われる。2.参議院の審議は衆議院の7掛けの13日程度行われる。3.平日はすべて審議する。4.予算案の委員会の採決日は両院の本会議定例日で、その日のうちに本会議で緊急上程される。