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結いの党の会派離脱問題、強制解決はできるか


 2014年1月22日現在。結いの党の議員が、みんなの党の会派から離脱できない問題は一向に解決する様子がありません。

 そんななか、本日付の日経新聞朝刊に興味深い記事が出ていました。以下引用です。

委員長裁定で結い離脱も
■自民 自民党は21日、結いの党がみんなの党からの会派離脱を求めている問題を巡り、自民党の逢沢一郎衆議院議院運営委員長の裁定によって離脱を認める方向で検討に入った。

 この問題の決着は、1.みんなの党が折れる、2.現状維持、3.何らかの妥協案が成立する、の3つだと思っていましたが、4つめを見落としていたようです。4つめは、強制的に会派離脱が行われる、です。

 日経の記事と同じような内容は、読売、NHK NEWSWEB、時事ドットコムを確認した限りではまだありませんので、ちょっと不安ではあります。自民党としては、昨年の議院運営委員会で「会派離脱は離脱する議員本人の意思を尊重した取り扱いをする」という申し合わせを主導してまとめたこともあり、結いの党の会派離脱を認める方向で動いていることは確かです。

 ただ、議院運営委員長の裁定で会派離脱を認めるというのが可能なのかどうかがよくわかりません。また、委員長裁定で解決することを他の野党が認めるかどうかも不明です。委員長裁定で物事が決まってしまうようになると、与党の行動を止めることが難しくなるからです。議院運営委員会理事会の申し合わせで決めるとかしたほうが穏やかな感じがします。

 しかし、それはできません。参議院議院運営委員会にはみんなの党が理事を出しているため、理事会として決定することは不可能です。また、衆参で野党第一党である民主党がどう動くかも不明です。なぜなら、衆議院で民主党は日本維新の会と3議席しか差がないからです。国会運営は与党第一党と野党第一党の協議によって大枠が決まります。民主党の比例選出の議員が4人会派離脱したら、衆議院での野党第一党の座を失ってしまい、国会運営に影響をあたえることが困難になるのです。


国会召集を前にみんなの党への圧力が高まる―結いの党会派離脱問題


 2014年1月21日現在。今週末24日に通常国会が召集されます。結いの党の会派離脱問題のひとつめの区切りが近づいています。国会冒頭の代表質問に、結いの党から質問者を出せるかどうかがかかっているからです。また、委員会の割り振りや、席ぎめなどもあるので、通常国会召集前にケリをつけておきたいところです。

 時間が切迫してきたからか、傍観していた自民党も、みんなの党に会派離脱問題の早期解決を求めました。(NHK NEWSWEB『会派離脱問題 与党22日までに結論求める』2014.1.20 21:39)自民党の主張に、「法的に認知されている結いの党が、国会で活動できないのは問題だ」というものがありました。「法的に認知されている」というのは、政党交付金の対象になっている党だということでしょう。

 通常国会召集を前に会派離脱を認める方向で、みんなの党に圧力がかかってきています。ですが、ここを乗り切ってしまえば、通常国会は結いの党が会派として存在しない形で始まるわけです。いったん、その状態を変えようとする機運が乏しくなるのではないかと思います。

 ルートは3つあります。みんなの党が折れるか、現状維持か、何らかの妥協案が成立するかです。もし、みんなの党が折れるとしたら、何が決め手になるかに関心があります。


嫌がらせには嫌がらせで返してみるー結いの党の会派離脱


 2014年1月20日現在。結いの党は、自党の比例選出議員の会派離脱をみとめないみんなの党に対し、法的措置も辞さない構えです。結いの党側は、みんなの党の態度を「嫌がらせ」と言っています。もし、法的措置をとっても会派離脱を実現できなかった場合、結いの党がとれる選択肢にはどのようなものがあるでしょうか。

 実現可能かどうかを別にして、ひとつ考えられるのは、みんなの党の会派にいる結いの党の議員が、みんなの会派の決定とことごとく反対の態度をとることです。ひたすら造反するわけです。みずからの政治信条は脇において、どんな議題だろうが、つねにみんなの会派と反対の行動をとる。

 こうしたとき、みんなの党は造反した議員になんらかの処分をくださないと会派としての立場がありません。しかし、造反した議員はすでに離党して別の党にいるわけで、処分のくだしようがありません。みんなの党としては手のうちようがないわけです。つまり、どんどんみんなの党は立場がなくなっていきます。耐え切れなくなったみんなの党が、会派離脱を了承する、という流れになる。

 まぁ、こんなことをしたら、それこそ完全に嫌がらせなので、結いの党もただではすまないと思います。みんなの党も結いの党も結局野党なのですから、与党に反対という点で一致することが多いでしょう。ということは、みんなの党と反対の行動をとるために、あえて与党に賛成する場面もでてくることになります。同じ政治理念のもとに野党勢力を結集するという目標をかかげた、結いの党の議員にはできるはずがありません。

 せっかく思いついた現状打開策ですが、思いつきに過ぎませんでした。ただ、どのような方法をとるにせよ、「会派離脱を認めないとおかしい」という空気が十分に醸成されれば、みんなの党は会派離脱に応じざるを得なくなるでしょう。逆に、「比例選出議員が既存政党に移動するのはどのようなかたちであれおかしい」という空気が醸成されれば、結いの党は会派離脱できないことを前提に国会で活動せざるを得ないでしょう。


みんなの党と結いの党の理屈


 2014年1月19日現在。みんなの党と結いの党が、会派離脱問題でもめています。

 会派というのは国会での活動単位で、各政党とほぼイコールの勢力です。ただ、会派から抜けるには所属会派によって会派離脱届けが出されなければいけないため、結いの党の比例選出議員は未だにみんなの党の会派に所属していることになっています。みんなの党が、比例選出の議員の会派離脱を認めていないためです。

 みんなの党はなぜ比例選出の議員の会派離脱を認めないのでしょうか。比例選出の議員は、基本的には「みんなの党」を支持した有権者の投票によって選ばれたものです。それならば、みんなの党を離党した時点で選出されたそもそもの資格を失うのではないかという懸念があります。その理屈を広げると、「比例選出の議員の議席は、議員個人のものではなく、みんなの党の議席である。したがって、離党するなら議員辞職し、みんなの党に議席を返上すべきだ」というみんなの党の主張になります。

 そうは言っても、例えば所属政党が選挙時の公約に反した行動をしていて、これに納得出来ない議員が離党して新党を結成するようなケースもあるでしょう。この場合は、離党しても有権者に対する裏切りにはならないと思えます。そのためか、公職選挙法(99条の2)でも当選したときに行われた選挙の際に存在していない政党に移る場合なら当選が無効にならないとしています。

 ただ、結いの党の場合は複雑です。基本的な路線として、結いの党は日本維新の会との合流を志向しています。結局、合法的にみんなの党から維新の会に移動するために、いったん新しい党を作ったんじゃないかといわれても仕方がない立場なのです。

 現実として、みんなの党と結いの党は別々の政党として存在しています。政党ごとにもらえる政党交付金も、結いの党は受け取れる見通しです。別々の党で、意見も違うのに会派が同じということが成り立つのかが問題です。


結いの党は裁判所にどうしてほしいのか


 2014年1月18日現在。結いの党が、みんなの党の会派から離脱が認められない現状を、法的措置によって打開しようという主張をし始めています。

 法的措置をとるということは、どこかを訴えることになると思います。そもそもどこを訴えるのでしょうか。

 みんなの党を訴える場合は、どういう主張になるのでしょうか。結いの党は、政党交付金を受け取る資格がある政党として、みんなの党とは別に存在しています。その結いの党の所属議員の会派離脱届けを、みんなの党が国会に出さないのはおかしいという主張になると思われます。会派の離脱は、所属する会派が出すことになっているからです。

 ただ、裁判に訴えるとして、最終的に裁判所にどうしてもらいたいのでしょうか。裁判所に何を強制してもらえば、結いの党は会派離脱という目的を達成できるのでしょうか。みんなの党に、会派離脱届けを出すよう命令してもらう?それとも、所属会派が届けを出さなくても会派から離脱できるように、国会に命令してもらう?

 国会に命令する方はありえません。会派離脱問題と似たような話が以前ありました。ある議員が法案を提出しようとしたところ、国会の事務局が受け取りを拒否しました。その議員の所属会派の承認がなかったためです。慣例により、法案提出には会派の承認が必要だったのです。これを機関承認と言います。その議員は国を相手取り、法案が受理されないのはおかしいという訴えを起こしましたが、裁判所は国会の自律権(自分で自分のことを決める権利)の問題であるとして、判断を避け、訴えは棄却されました。

 裁判所といえども、おいそれと国会の内部のことに口出しはできません。これを念頭においたのが、時事ドットコム『「法的措置」に不快感=みんな代表』で報じられたみんなの党の渡辺代表の言葉です。以下、時事ドットコムからの引用です。

(引用者註:渡辺代表は)結いの党がみんなの会派からの離脱を認められない場合、法的措置を検討すると主張し始めたことについて、「国会の中で自律的に決められる話を、あえて三権分立の憲法秩序の中で、裁判所に持っていってどうするというのはちょっと考えにくい」と述べ、不快感を示した。

 結いの党は、法的措置の検討をどこまで本気でしているのでしょうか。ハッタリなのでしょうか。よくわかりません。だからこそ、結いの党がどのような法的措置をとるのか、非常に興味があるのです。


結いの党の会派離脱問題


 2014年1月17日現在。結いの党が、会派離脱を認めないみんなの党に対し、法的措置を検討するという報道がありました。(時事ドットコム:『会派問題、法的措置も=結い』

 結いの党は、昨年末にみんなの党の元幹事長の江田さんと、みんなの党の離党者を中心に結成されました。結いの党の議員は、すでにみんな党からは抜けています。ただ、みんなの党は国会の活動単位である「会派」から、比例選出の結いの党議員を離脱することを許可していません。会派を離脱するには、離脱しようとする会派の承認が必要なのです。そのため、結いの党は国会で「結いの党」として活動することが難しくなっています。

 当初は、みんなの党が会派離脱を承認するよう、結いの党は他党の協力を得て圧力をかけようとしていましたが、自民党などは「当事者同士で話し合ってほしい」と積極的なかかわり合いを避けていて、うまくいきませんでした。結いの党としては、もうどうにもならなくなったため、司法に活路を求めたようです。

 もし、法的措置をとるのなら、どのような訴えになるのか非常に興味があります。


結いの党による政界再編は短期的に野党を細分化させる


 2014年1月7日現在。野党再編の目的のひとつは、野党勢力の結集です。この野党勢力の結集という点で考えると、結いの党を結成した江田さんの動きはよくわかりません。

 報道によれば、江田さんは日本維新の会との合流を望んでいるものの、憲法に対する考え方の違いから、維新の会の石原慎太郎共同代表をはじめとする旧・太陽の党の議員とは組みたくないと考えているようです。

 衆議院の議席数で考えてみます。維新の会53議席-旧・太陽の党12議席+結いの党9議席=50議席で、現状より議席は3減少します。これでは野党勢力の結集になりません。

 一応、3月に維新と合流し、8月に民主党の一部と合流というスケジュールを考えているようです。例えば、江田さんや維新の会の松野さんと勉強会をした、民主党の細野さんのグループは、民主党で10人程度の規模だと見られています。細野グループのメンバーのうち、衆議院議員が何人いるかは調べがつきませんでした。仮に細野さんが衆議院議員10人連れて、江田さんに合流すると民主党46に対し、新党50となります。新党は野党第一党にはなるものの、民主党との差は4議席にとどまり、現状と野党の構成は変わりません。いえ、新党ができる過程で旧太陽の党が切り離されるのですから、野党の数は増えます。

 おそらく、江田さんの構想は短期的なものではなく、次の衆議院総選挙後の政治情勢の構築を狙った長期的なものなのでしょう。ただ、江田さんの狙い通りの展開になると、野党のさらなる分裂により、短期的に自公態勢の強化につながることは避けられません。すでに、みんなの党は分裂してますしね。悩ましいところです。

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野党再編と民主党の不人気


 2014年1月6日現在。衆議院と参議院で野党の数が大きく違うため、衆参で野党として統一した行動ができていません。統一した行動をとる方法のひとつとして、野党再編により、圧倒的な野党第一党を作るというものがあります。

 では、どのような組み合わせを考えればいいのかというと、これがなかなか難しいです。参議院の議席数(民主党の議席数は他の野党の議席数の合計より多い)と政権を担当したという実績を考えれば、民主党を中心として他の野党が加わればいいような気がします。しかし、他の野党は民主党政権に対してノーを突きつけた過去があるため、パッと民主党とくっつくというわけにはいきません。また、一昨年の衆議院総選挙と昨年の参議院選挙で負け続けている、「民主党」という看板を忌避するような感覚もあると思います。

 ややこしいのは、安倍政権誕生後に民主党を動かしている人たちが、民主党政権の中枢、そのすべてであるわけではないということです。民主党代表の海江田さんは大臣こそ務めていますが、民主党政権で常に政府や党の中心にいた人たちとは一線を画しています。その人たちは現状が面白くないでしょう。常に民主党政権の中枢にいた前原さんの名前が政界再編のキーマンのひとりとして出てくるのは、そういう事情もあると思います。

 つまり、野党再編という考えが出てくるのは、民主党が不人気だからです。民主党に野党としての勢いがあれば、民主党の分裂をともなう野党再編ではなく「野党勢力、民主党に結集」になるはずです。


野党再編と野党の主導権争い


 2014年1月5日現在。巨大与党に対抗するための手段として、野党再編が連日取り沙汰されています。今までもいろんな野党がいた時期があったのに、なぜいまこんなに野党再編の話で持ちきりなのでしょうか。原因のひとつに、国会運営の協議方法があります。

 1990年台後半から現在にかけて、国会運営の協議の中心は、国会の各委員会の与党筆頭理事と野党筆頭理事による、与野党筆頭理事間協議です。与党代表と野党代表の話し合いです。これは、野党代表となる党がその他の野党勢力を糾合できることが前提となっています(白井誠『国会法』信山社2013:P.18〜P.20)。そのため、他の野党を圧倒するだけの数を持っていて、他の野党が単独で動いても無視できる程度の数になっているとベストです。

 今までは自民党も民主党も野党時代にそれなりの数を持っていたので野党代表として振る舞えました。しかし、一昨年の衆議院総選挙で民主党(56議席)は惨敗し、野党第一党の座は守ったものの、野党第二党の日本維新の会(53議席)に3議席差まで迫られてしまいました。これでは、民主党が当然に野党の代表になる、というわけにはいきません。現に日本維新の会は総選挙後から、ことあるごとに国会運営の協議に維新も参加させるよう求めていています。

 そして、日本維新の会は民主党と共同歩調を取りません。昨年末の特定秘密保護法の審議過程で、日本維新の会は与党との修正協議をまとめます。民主党は与党との修正協議をまとめることが出来なかったため、議事妨害で抵抗するしかなくなりました。そして、民主党が単独で提出した安倍内閣不信任案の採決で、日本維新の会は反対(安倍内閣を信任する)にまわり、民主党の議事妨害はいまいち盛り上がりにかけるものになってしまいました。

 このように、民主党は衆議院において野党の盟主としての存在感を欠いてしまっています。

 ただ、衆議院に比べると、参議院は民主党にとって比較的ましな状況です。民主党(58議席)は昨年の参議院選挙でも議席を減らしましたが、野党第二党のみんなの党は18議席(離党した結いの党の党員を含む)で、40議席の差があります。民主党以外の野党の数を合計しても、民主党が上回っています。ですから、参議院では民主党を中心に、特定秘密保護法成立に抵抗ができたのではないかと思います。衆議院では単独行動していた日本維新の会も、参議院(維新は9議席)に舞台が移ってからは民主党と歩調を合わせるしかなかったように見えます。

 とは言え、衆議院と参議院で野党の数が大きく違うため、衆参で野党として統一した行動ができないという点は否めません。野党を結集するにはどうするか。野党再編して、圧倒的な野党第一党を作ればよいのです。


野党再編の意義


 2014年1月4日現在。野党再編について、連日報道されています。昨年末に誕生した結いの党が、3月にも維新の会と合流して、さらには民主党の一部とも合流するとか、そんな感じです。

 野党再編の最大の意義は、巨大与党に対して野党勢力を結集し、野党が一体となって行動できることです。

 例えば、議事妨害に欠かせない本会議の採決に対する記名投票要求は、本会議出席者の五分の一以上が賛同していなければ受け入れられません。昨年末の内閣不信任案の採決において、民主党は日本維新の会の協力を得られず、内閣不信任案の採決としては珍しい起立採決になってしまいました。

 また、本会議や委員会に欠席する審議拒否も大勢でやったら目立ちますが、野党1党だけが欠席してもあんまり効果がありません。ただでさえ審議拒否に対する世論の見方は厳しいので、悪くすると「何やっちゃってんの?」と総スカンを食う恐れもあります。野党として抵抗するのにも、数が必要なのです。

 国会において野党が使える力は、国会の制度、時間、そして議席数―つまり数です。国会内ではこれしかありません。あとは、国会外でデモを指揮して政府・与党をビビらせて自分たちの要求を呑ませるというものがあるにはあります。ありますが、政府・与党をビビらせるだけの人を集められるのなら選挙で勝っているはずなので、そうそうあることではありません。

 野党の数は、国会全体の議席数−与党の議席数で決まります。現在は衆議院も参議院も自民党・公明党で過半数を占めているので、与党の議席数を引いた時点で野党の数は悲しいことになります。その少ない野党の数が、さらに民主党だ、日本維新の会だ、みんなの党だ、日本共産党だ、というように分かれているのです。各々の党がバラバラに与党と戦っても、結果は見えています。

 そこで野党再編して、野党勢力の結集をしよう、野党の数をまとめようということになるわけです。