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国会運営の効率化に必要な視点

■国会運営改革について

 2013年9月8日の日経新聞朝刊に与党の国会運営改革案についての記事が掲載されていました。

 具体的な内容は以下の5つです。

  • 予算委員会の審議日程をあらかじめ設定
  • 首相、閣僚の国会答弁の負担軽減
  • 国会同意人事の対象削減
  • 首相の所信表明、施政方針演説の衆参一本化
  • 党首討論の開催頻度を増やす
  • 委員長手当の見直し(減額)

■審議時間はコストか?

 最初の4つは、政府にとっての重荷になっている国会審議というコストの削減を目的としたものと言えます。審議をコストとして捉え、それを削減して国会運営を効率化するための改革ということでしょうか。審議というコストをかけることこそが大事だと考えている人は、なかなか賛成しづらいでしょうね。

 とはいえ、ただただ審議時間、というより法案の提出から採決までの時間をかければいいというものではありません。野党が本会議での法案の趣旨説明を求めて、委員会付託を遅らせる「吊るし」によって、なかなか実質審議入りさせないことで採決までの時間を引き延ばしているケースを目にすることがあります。こういうのは、実質的な審議がされないまま、ただ時間をかけるだけでなんの意味もありません。

 例えば、今年の通常国会の選挙制度改革法案は、参議院での委員会付託を延ばしに延ばした挙句、参議院での審議はほとんどと言っていいほど行われずに、衆議院で再可決されました。参議院に法案を送付する意味があったのでしょうか。

 そういう無駄を省いて審議時間をしっかり確保するという目的もあるならば、国会運営改革に賛成です。単に審議時間を短くする、大臣の答弁の回数を減らすだけでは意味がありません。現状でも短いことがあるからです。

■効率化には目的が必要

 そもそも効率化という言葉は、その時その時によって意味が変わってしまう言葉だと思います。時代によって効率化する範囲や、効率化が許される深さが異なるのではないでしょうか。環境保護に対する意識があまりない時代や地域なら、環境対策にかけるコストを切り捨てるのが利益追求の面から効率的であるようにです。

 単に効率化するというのではなく、「こういう目的のために、こういう効率化をする」ということをハッキリさせる必要があります。そうしなければ、効率化の方法についてうまく話しあうことができませんし、効率化を実施した後の検証も難しくなります。

 効率化はいいことです。ただし、それは目的達成に必要なコストを減らすからいいことなのです。

■実質的な審議の確保を目的にするべき

 国会は、それぞれの意見の代表者が出てきて、討論した後に多数決で決める点に意義があります。討論することが、国会の目的のひとつなのです。

 討論、つまり実質的な審議が行われないのならば、国会議員はいらないかもしれません。議員のみなさんには、国会運営改革を話しあう際に、「実質的な審議を確保する」という視点を常に持っていてほしいですね。